“やさしい、たのしい、おいしい”を通じて、サステナブルをもっと身近に。【株式会社ovgoインタビュー】

今回は、「やさしい、たのしい、おいしい」をテーマに、プラントベースのアメリカンベイクを通じて新しい食の文化を提案する株式会社ovgoのCEO 髙木里沙さんにお話を伺いました。

  • プラントベースやヴィーガンに興味がある方
  • 新しいお菓子の選択肢に興味がある方
  • B Corpやサステナブルなブランドづくりについて知りたい方

は、ぜひ読んでいただけたらと思います!

目次

プロフィール

【名前】
髙木 里沙

【経歴】
慶應義塾大学大学院を修了。学生時代には米国およびフランスに在住。新卒でメリルリンチ日本証券株式会社(現・BofA証券株式会社)の投資銀行部門に入社し、グローバルM&AやIPOなどの業務に従事。2021年に株式会社ovgoにCFOとして参画し、2023年より代表取締役に就任。

「おいしいプラントベースを日本にも」ovgoクッキー誕生の背景

―――ovgoクッキーの生まれた背景を教えていただけますか?

ovgoは2020年に創業し今年で6年目を迎えます。
創業の背景には、「日本におけるプラントベース市場の未成熟さ」がありました。

2020年当時の海外ではすでに一般的な選択肢となっていた一方で、日本では「ヴィーガン」や「プラントベース」という言葉自体がまだ十分に浸透していませんでした。

「食に関する制限がある中で海外のようにおいしいものを日本でもつくれないか」と考えたことが出発点です。
また、創業当初から大切にしていたもうひとつの思想が「インクルーシブであること」です。
様々な理由で食事制限のある方も、そうでない方も、同じテーブルで同じものを楽しめる——そんな「誰も取り残さない、誰もが一緒に選べるお菓子」を作ることが、ovgoのビジョンのひとつでした。
プラントベースという選択は、サステナビリティへの意識だけでなく、食の多様性を自然な形で包み込む可能性を持っていると感じています。

プラントベースとは?
プラントベースとは、動物性原材料を使わず、野菜・穀物・豆類などの植物由来の食材を主成分とした食品や食事の考え方のことです。

ovgoが大切にしている思想

私たちは「やさしい、たのしい、おいしい」をテーマに、アメリカンベイクを通じてサステナブルな提案を行っています。
大切にしているのは、制限のあるものづくりの中でも、自分たち自身が楽しみながら続けられることです。
一時的なブームをつくるのではなく、プラントベースが日常のライフスタイルに自然と溶け込み、文化として根付いていくことを目指しています。

植物性素材を活かしたおいしさ

―――原材料は動物由来のものを使用せず、豆乳やナッツを使用していますよね。

ovgoでは、卵やバター、牛乳といった動物性素材の代わりに、豆乳やこめ油などの植物由来素材を使用しており、オートミール、米粉、小麦粉を組み合わせることで、独自のおいしさを生み出しています。

プラントベースフードというと、「味が薄そう」「食べごたえがなさそう」といったイメージを持たれがちですが、ovgoの商品はしっかりとした味と食べ応えがあるのが特徴です。
ovgoはスパイスをしっかり効かせているのが特徴です。

プラントベースであることは前提ですが、商品の発想自体は自由に考えています。
たとえば、これまで展開してきた商品の中には求肥を入れた商品もあり、温めるとお餅のように伸びるのも特徴です。

これまでのクッキーの概念にとらわれず、イメージを少し広げるような商品展開も、ovgoならではの魅力だと思います。

若い世代から広がった、ovgoに寄せられる共感の声

―――ovgoではどのようなお客様が多いのでしょうか。

創業当初はZ世代のお客様をターゲットにブランディングしていたこともあり、もともとは若い世代のお客様が中心でした。

かわいい、おしゃれなブランドというイメージから知ってくださる方が多く、実際には約8割が食事制限のない一般のお客様です。

日本ではまだプラントベースという選択肢が十分に浸透していない面もありますが、強く打ち出さなくても、必要としている方に見つけていただける機会は意外と多いと感じています。

お客様との出会いが教えてくれたこと

―――印象に残っているエピソードはありますか。

私たちの商品は植物性の原材料を使っていますが、元々は卵アレルギーの方向けに商品開発を実施した商品というわけではありませんでした。

しかし、実際に店頭に立つ中で「日本にはアレルギーの方がこんなに多いんだ」と気づかされる場面がたくさんありました。

お菓子を買えるお店がなかなかないので、こういうお店があってうれしいです」と言っていただけたときは、本当にうれしかったですね。

印象的だったのは子連れのお客様で、「上の子にはアレルギーはないけど、下の子にはあるから同じお店で同じものを選ばせてあげられないことが心苦しい」と話してくださった方がいて。
お客様の声を通して、初めてプラントベースの需要の大きさに気づきました。

B Corpを指針にグローバル展開へ

―――B Corpを取得されていますが、取得した背景やサステナブルにどのように取り組んでいるのかを教えていただけますか。

弊社がB Corpを取得したのは2022年で、日本では16社目でした。
将来のグローバル展開を見据え、創業当初からサステナビリティを経営の軸に置いてきたことが、早い段階で取得した理由です。

B Corpには、サステナビリティへの取り組みを第三者の基準で評価してもらえる意義があります。
また、「こういう考え方の会社なんだ」と伝える目印にもなっています。

B Corpとは?
B Corpとは、社会・環境・ガバナンスの観点から企業のあり方を評価する国際的な認証制度です。

まだ小さな会社ではありますが、B Corpをきっかけに大手企業の方から声をかけていただく機会も少しずつ増えてきました。

たとえば、定量的な評価に対応するため、商品のCO₂排出量を確認するといった取り組みも進めています。

一方で、B Corp 認証のブランドであることだけが購入理由になるわけではありません。

無理をしてサステナビリティへの取り組みを押し付けることは、それ自体がサステナブルではないと考えています。長く続けられることこそが本当のサステナビリティであり、ovgoのミッションである「やさしい、たのしい、おいしい」の世界観を大切にすることが、結果的に一番誠実なあり方だと思っています。

そのため、店舗では強く打ち出しすぎず、ウェブサイト上では関心のある方がアクセスできる形で情報を開示しています。

もちろん興味を持ってくださった方とのコミュニケーションのきっかけにもなっており、取得してよかったと感じています。

―――ありがとうございます。今後のグローバル展開についてもお伺いできますか?

はい、アメリカではすでにテストマーケティングを実施しており、今後は現地展開も進めていきたいと考えています。
加えて、アジアでも声をかけていただく機会が多く、卸や輸出などの広がりも視野に入れています。
よいパートナーと出会えれば、店舗展開の可能性もあると思っています。

日本の食品には非常に高いクオリティがあると感じています。
限られた条件の中でも、いかにおいしく作るかに向き合う姿勢や技術へのこだわりは、日本ならではの強みです。
そうしたおいしさへの追求が、海外でももっと評価されていってほしいと思っています。

おいしさとたのしさから、サステナブルをもっと自然なものに

―――最後に読者の方へのメッセージをお願いいたします。

私たちは、サステナブルな選択が特別なことではなく、日常のライフスタイルに自然と溶け込んでいる状態をつくりたいと考えています。
気づいたらいいことができている
そんな仕組みが当たり前になる文化を目指しています。

その入口として、まずは「おいしいから好き」と思ってもらうことが大切だと考えています。
クッキーはシンプルなお菓子ですが、人を自然と笑顔にする力があると思っています。
どんなに緊張感のある場でも、お菓子があると少し空気がやわらぎ、会話が生まれることがあります。
同じものを一緒に食べることで、自然に雑談が生まれたり、人が素の表情に戻れたりする。クッキーには、そんな力があると感じています。

ありがたいことに、スタッフ自身がovgoのファンであり、お客様の中にも長くファンとして応援してくださる方がたくさんいらっしゃいます。

これからも「やさしい、たのしい、おいしい」を大切にしながら、長く愛されるブランドを目指していきたいと思っています。
そして、さまざまな形で商品や体験を届けながら、ファンの皆さまとのつながりを育てていけたらうれしいです。

まとめ

今回は、株式会社ovgoのCEO 髙木里沙さんに、ovgoクッキーが生まれた背景や、ブランドとして大切にしている考え方についてお話を伺いました。

「プラントベース」や「ヴィーガン」がまだ一般的ではなかった日本で、ovgoは“おいしいから選ばれる”ことを大切にしながら、自然とサステナブルな選択につながるブランドを育ててきました。
アレルギーのある方やそのご家族の声を通して、誰もが一緒に楽しめるお菓子の価値が見えてきた点も印象的でした。

ソーシャルエッグでは、このように社会によい視点を持ちながら、新しい価値を生み出している企業やブランドのインタビュー記事を他にもご紹介しています。
社会性と事業性を両立する取り組みに興味のある方は、ぜひほかの記事も読んでみてくださいね。

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