再生可能エネルギーを活用した発電方法は太陽光、風力、水力といった主要なものをはじめ、太陽熱発電や海洋エネルギー発電など多岐にわたる。そんななか、株式会社ニソール(埼玉県狭山市)が新エネルギー植物発電「N-Energy(エヌ・エナジー)」を考案した。
植物発電「N-Energy」とは、植物の根から発生する糖(デンプン)や微生物、水中の水草や微生物の循環作用から発生するエネルギーを効率よく電極に集め、発電する技術である。「マグネシウム板(−)と備長炭(+)を電極として土や水に入れるだけの簡単な設置構造で、なんでも土や水に電極を挿しておくだけで、植物が元気に育つ環境があれば電力を得ることができるという。
非常用電源にも使われるぐらい発電量が大きい一方、溶けて劣化するという問題のあるマグネシウムを、酸化チタン入り樹脂コーティング技術で金属反応を抑え、溶けにくい加工を施すことで、最長2年間使用できるようになっている。
発電による環境への害がなく、植物や環境に優しいというのが特徴。夜間でも植物が育つ環境である限り24時間発電が可能なため、太陽光発電に対する大きなメリットになっている。太陽光が届きにくい山林や室内でも日照量や天候に左右されずに発電できるため、イルミネーションのほか農業で使われるIoT機器センサー電源など、電力供給が困難な場所で幅広く活用されている。
株式会社ニソールでは現在、植物発電関連の商品としてN-Energy植物発電実験キット(電球1個 ¥8690 / 10個 ¥38500)を展開中。エネルギー問題を考えてもらうきっかけづくりとして、この夏に「植物発電キット」を活用した作品コンテストを実施予定だ。