黄金のペットボトルをアートで啓発!東北芸術工科大学生の不法投棄尿入りボトルを減らす試みとは

木村 晃子氏は、東北芸術工科大学 美術学科に所属している大学4年生だ。彼女は「ギャル×自然×自由」をテーマに、アートで社会課題を伝える活動を行っている。

そんな彼女は今、福島県にて『黄金のペットボトル』を題材にした短編アート映画の制作に取り組んでいる。


黄金のペットボトル(ションペット)とは、尿が入ったペットボトルのことだ。黄金のペットボトルは、以下のような場所でよく見られている。

  • トラック運転手が運転中にトイレに行けず、ペットボトルに尿を足し、道路脇に捨てる
  • 富士山やトレッキングコースなどでトイレに行くことができず、尿入りペットボトルを自然の中に捨てる

世間が知らない「トラックドライバーがペットボトルに用を足す理由」という記事によると、トラックドライバーの約3割以上がペットボトルなどの容器に尿をしたことがあるそうだ。この黄金のペットボトル問題はドライバーのモラル欠如によるものだと考えられているが、木村氏はそうではないと発信する。

「長距離輸送を担うドライバーは、なかなかトイレに行きづらい状態にあります。というのも、大型のトラックが駐車できるトイレスペースは少ないですし、運送スケジュールが過密でトイレに行く時間が取れないことも頻繁にあります。また、使用した尿入りペットボトルを、どのように処理していいか分からないという声もあります。黄金のペットボトルが作られること自体が問題ではなく、それが不法投棄されていることに問題があります。」

この社会問題は、ドライバーのみの問題ではない。そのため、誰かを悪者とせずに、問題そのものを伝えたいと考え、木村氏はフィクションドキュメンタリー短編映画「黄金のペットボトル」の制作を開始した。


この映画は、黄金のペットボトルの不法投棄を行うドライバーと、それを地道に拾っていくボランティアを舞台にした、ドキュメンタリー風コメディー映画だ。「黄金のペットボトルを不法投棄したドライバーが、何も知らずに食べた料理が、黄金のペットボトルの尿から育った野菜だった」というあらすじから、黄金のペットボトル問題の実情に迫っていく。

木村氏は、今回の映画を通して以下のような表現をしたいと話している。

「映画のストーリーでは、不法投棄された黄金のペットボトル(尿入りペットボトル)が液肥として活用され、作物が育つというポジティブな世界線を設定しています。日本において人間の排泄物から安全安心な肥料が作られる理想の未来は、そう遠くないと思います。複雑な問題を抱える黄金のペットボトルに一筋の希望の光を当てたいです。」

制作された映画は、以下の場所で放映予定だ。

2024/02/07 ~ 2/12:山形・東北芸術工科大学卒業制作展

2024/02/22 ~ 2/26:東京都内の某美術館①

2024/02/24 ~ 3/31:東京都内の某美術館②

木村氏は、この映画の制作費・黄金のペットボトルの液肥化実験費として、100万円を目標にしたクラウドファンディングを実施中だ。少しでも関心を持った方は、こちらのページも見てみてはいかがだろうか。

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この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

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