ソーシャルグッドリンクの創設者でWEB運営の専門家!寿倉歩さんインタビュー

今回は、ソーシャルグッドな商品のみを取り扱うASP「ソーシャルグッドリンク」を立ち上げた、寿倉歩さんにインタビューを行いました。

  • ソーシャル系のWEB運営・広告運営に興味がある方
  • ソーシャルビジネスを始めてみようと思っているが、自分に合う事業形態が思い浮かばず悩んでいる方

はぜひ読んでいただけたらと思います!

目次

プロフィール

【名前】
寿倉 歩

【年齢】
41歳(2023年6月現在)

【経歴】
立命館大学経営学部 ⇒ 大和証券 ⇒ 株式会社ウェブシャーク(現株式会社Yogibo) ⇒ 株式会社マイスタースタジオ代表取締役 ⇒ 株式会社テミスホールディングス取締役(現ラッコ株式会社) ⇒ソーシャルグッドリンクを起業

【携わっている事業内容】
ソーシャルグッドリンク:ソーシャルグッドな商品のみを取り扱うASP

病気を患い、今のままの事業拡大に疑問を抱き、ソーシャルビジネスを始めた

下谷

本日はよろしくお願い致します。

ではまず、寿倉さんの経歴を教えて頂けますでしょうか?

寿倉

はい。私は昔から子どもが好きだったので、ずっと保育士になりたいと考えていました。そのため大学時代は、認可外保育園で仕事をしながら、保育士の資格を取るための活動をしていました。

ただ、保育士としての収入だけだと生活が苦しかったので、保育士をしながらでも安定的な収入を得られるように、元々得意だった株式投資のWEBサイトの運営を始めました。2000年代のブログ黎明期ということもあり、自分で人気サイトを運営するのはとても楽しかったですね。

寿倉

その後、保育士か証券かで迷ったのですが、保育士の道は断念し、大和証券に入社しました。ただ、自分の本意でない金融商品を売らなくちゃいけないということに、すごく罪悪感を感じていました。

そんなときにたまたま読んでいたアフィリエイトASPの社長ブログに感動してメールを送ったのがきっかけで、そこにジョインすることになりました。現在はASPはやめてYogiboというソファで全国的にも有名な会社になっているのですが、その経営者である木村社長と創業期に近い場所でお仕事させていただいたことは僕にとっても大きな学びになりました。

寿倉

尊敬する経営者のもとで本当に色んなことを学ばせて頂いたのですが、また大学時代のようにもう一度自分で人気サイトを運営したいという思いがつのり、株式会社マイスタースタジオを創業しました。そこからは、色んな人気サイトを作ったり、リスティング広告の運用代行を行ったり、書籍の出版などを行っていきました。

そこから事業は順調に拡大していったのですが、ストレスからのメニエル病や緑内障を患ってしまって。

メニエル病:三半規管が乱れ、立ち上がれなくなってしまう病気
緑内障:目の視野が狭くなってしまう病気

寿倉

これらの病気を患った際に、自分自身の事業について振り返るようになりました。

「このまま売上拡大を目指していってもいいのかなぁ?」という思慮に耽っていた際、テレビでボーダレス・ジャパンの田口さんのドキュメンタリー番組を拝見しました。売上・利益よりも本当に社会問題の解決を目的に活動されていて、それでここまでのスケールで仕事ができていることに、とても感銘を受けました

その後、社内にソーシャルビジネスの部署を立ち上げるために、同社のボーダレスアカデミーという社会起業家の養成講座を受講しました。

ボーダレスアカデミーにて事業案を発表している際の様子

障がいを持った方を助けたいという想いから、ソーシャルグッドリンクはスタートした

下谷

なるほど。寿倉さんが最初に始めたソーシャルビジネスが、ソーシャルグッドリンクなのでしょうか?

寿倉

いえ、まず何のソーシャルビジネスをやろうか考えた時、僕の身近に障がいという社会課題があったため、障がい者支援の事業をやろうと決めました。

ただ、僕のWEB周りに強いというスキルセットと、現場での手助けを求めている障がい者支援という社会課題が、全く噛み合わなくて。結果的に全くお力にはなれず空回りに終わってしまいました。

寿倉

ただ、そこで大きな発見もありました。障がい者の方が働くB型事業所という所は、平均月収が1万円とかなり低賃金になっています。その原因を調査し、以下の2つの問題が見えてきました。

  1. 経費に余裕がなく、広告を回して売上を上げることができない
  2. 購入者が身内や知り合いに留まってしまい、一般消費者の方には認知されていない
寿倉

この課題に対して、成果報酬型広告モデルであるASPなら、「1個売れたらいくら」「1万円売れたらいくら」のような形式のため、赤字になることはありません。また、僕自身の強み・スキルセットともマッチしていますし、一般消費者への認知拡大も狙えます

また、この話をメディアを運営する友人たちに話したところ、応援するという言葉をもらえたことも後押しになりました。そのため、この方法なら障がい者の方の低賃金問題を解決できるのではと考え、2022年にソーシャルグッドリンクを始めました。

ソーシャルグッドリンクのビジネスモデル
ソーシャルグッドリンク

ソーシャルグッドリンクの事業内容

ソーシャルグッドリンクの広告出稿者は、どんな方が多い?

下谷

元々は、障がいを持った方を支援するために、ソーシャルグッドリンクを始めたんですね。そうなると、ソーシャルグッドリンクの広告出稿者は、障がい者支援事業所が主なのでしょうか?

寿倉

いえ、現在は障がい者支援事業所だけでなく、様々なソーシャルビジネスを行う会社さんと提携しています。

というのも、ソーシャルビジネスの事業者も、「フェアトレードのため利益率が低い」「広告では利益が出せない」「一般層への認知が広がりづらい」など、障がい者支援事業所と非常に近い課題を抱えています。そのため、広告の対象は、ソーシャルグッドな商品・サービスを行っている事業すべてにしています。

寿倉

今公開できる広告出稿者さんですと、大豆ミートで環境問題に取り組むSoycleさんセミオーダーの革財布でバングラデシュの貧困問題に取り組むJOGGOさんエシカルパソコンで難民問題に取り組むZERO PCさんなどが提携してくださっています。他にも、すでに契約済みで公開準備を行っている企業さんが、かなりいらっしゃいます。

ソーシャルグッドリンクと提携している、JOGGOさんの名刺入れ

ソーシャルグッドリンクを利用するWEB運営者は、どんな方が多い?

下谷

ソーシャルグッドリンクのASPを利用されるWEB運営者の方は、ソーシャル系の方が多いのでしょうか?

寿倉

そうですね、もちろんソーシャル系の方も多いんですが、本事業を始める理由となった課題点として「一般消費者の方に認知を広げたい」ということがありました。そのため、ソーシャル系に限らず思いに共感してくださる様々なメディアの方にもソーシャルグッドリンクを使って頂いています

ただし、ソーシャルグッドリンクは広告収入最大化を目的としたアフィリエイトではないので、記事中に社会問題について触れて頂くことをできる限りお願いしています。一緒にソーシャルビジネスを応援してくださるメディアさんには本当に助けられています。

株式会社マイスタースタジオで行っている、ソーシャルグッドリンク以外のソーシャルビジネス

寿倉

また、ソーシャルグッドリンクでは、売上の1%を社会貢献団体に寄付する活動を行っています。非営利団体さんの中には、商品やサービスを持っていない団体さんもありますので、そうした所には寄付という形でご支援したいと思っています。

また、弊社はリスティング広告運用の実績があるため、非営利団体向けのGoogle Ad Grantsの出稿支援も行っています。

Google Ad Grants:非営利団体が毎月最大$10000分、無料でGoogle広告を出稿できるプログラム

寿倉

Google Ad Grantsはすごく良いGoogleさんからのサービスなんですが、うまく使いこなせない団体さんが多いんです。そのため、ちゃんと広告効果が出るようにする支援を行っています。

ソーシャルグッドリンク自体は社会を良くする商品やサービスの販売を促進していく事が目的ですが、Google Ad Grantsや非営利団体への寄付・社会起業家の方へのWEBマーケティングの講義など、多面的に活動を行っています。

1社1社丁寧に向き合い、ソーシャルな商品がきちんと売上が伸びるよう貢献していく

下谷

ここまでありがとうございました。最後に、ソーシャルグッドリンクさんの今後の展望について教えて頂けますか?

寿倉

そうですね、取引する会社数をいっぱい拡大するというよりは、1社1社さんにきっちりと売上貢献していく事を目指しています。

せっかくご縁をいただいた会社さんにはしっかり売上を上げて欲しいですし、メディアさんに対してもしっかり情報提供をしていって、丁寧にお付き合いをさせて頂けたらと思っています。

下谷

なるほど、広告出稿者にもWEB運営者にも真摯に向き合い、双方がWin-Winになる状態を作り上げていけると良いですね。

本日はありがとうございました。

まとめ:関心のある社会課題×自分の強みを活かしたビジネスモデルが大切

今回は、ソーシャルグッドな商品のみを取り扱うASP「ソーシャルグッドリンク」を行う、寿倉さんにインタビューを行いました。

誰かを助けたいという想いがあっても、その手段が自分の強みと噛み合っていないと、成果を出すことは難しいです。しかし、自分の強みにあった方法で社会課題に取り組むことで、歯車が噛み合い、アウトカムを生み出すことができるのだと実感しました。また、寿倉さんはとても温和で誠実な方で、社会課題に対しても、広告出稿者さんやWEB運営者さんに対しても、とても真摯に向き合っていらっしゃると感じました。

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この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

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