ヤングケアラーとは?ヤングケアラーの現状や実態、支援を行っている企業などを解説!

ヤングケアラーとは、学生ながら家族の介護に追われ、勉強や友人との交流などの学生生活を楽しめない若者たちのことです。日本にヤングケアラーは約50万人いると言われていますが、問題が表には出てきにくく、影の社会問題として近年注目を集めています。

この記事では、ヤングケアラーの定義や現状、抱える課題の本質、そして彼らを支援するためにできることをわかりやすく簡単に解説していきます。ヤングケアラーたちの実態を知りつつ、彼らを支えていく方法を考えていきましょう。

目次

ヤングケアラーとは?意味や定義、ヤングケアラーのタイプを解説

ヤングケアラーとは、家族の世話を行っている若者のことです。各国で定義は異なりますが、一般社団法人日本ケアラー連盟は「家族にケアを要する人が要る場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子ども」と定義しています。

また、18歳~30歳までのケアラーを「若者ケアラー」と呼びます。

ヤングケアラーの事例としては、子供が介護しているなど、こちらの厚生労働省が交付しているヤングケアラーの事例一覧の図が分かりやすいです。

上記のように、家族のお世話や簡単な家事など、一見すると介護する子どもたちではなく、普通のお手伝いに見えるものもあります。しかし、これらのケアの量が多く子ども達の肉体的・精神的に負担がかかっている状態は、間違いなくヤングケアラーに該当します。上記の図を参考に、自分がヤングケアラーに当てはまっているか診断してみてください。

また、文部科学省の実態調査にて、自由回答として得られたケアラーたちの生の声を紹介します。(文部科学省調べ

小学生のヤングケアラーの事例

おさない子のお世話をしている人に必要だと思うことは、「1人の時間」です。幼い子が泣いていると、全然泣き止んでくれず、つかれるからです。そして、だんだん、かなしいというか、イライラしてきます。「あぁ、なんで泣き止まないの?」と。なので、そのお世話している人が楽しいと思えるような時間を少しでもとってほしいです。

町のふくしの人たちに、もっとていねいにやさしく、ちゃんとかんがえて、助けてほしい。りょうしんともにしょうがい者です。せいかつのために、そうだんできる人がいなくて、しかたなくりこんしました。ぼくもはったつしょうがいをもっています。てちょうをもっていなくても、ぼくたちみせいねん者が、つかえるサービスをふやしてほしい。

外へ行くとき弟をおいてけないので、カンゴシさんがきてほしい。

中学生・高校生のヤングケアラーの事例

認知症の家族がいつも家にいてうるさいと怒鳴りだすため、リビングでピアノや勉強ができなかったし、気を使うのは疲れる。

私には障がいのあるきょうだいがいる。きょうだいが産まれたことで母が私の習い事の送迎ができなくなり、私は習い事を辞めざるを得なかったことがある。きょうだいが体調を崩し、母が仕事を休めなかったときは、私が風邪を引いたということにして学校を休み、看病をしたことがある。また、きょうだいの保育園やデイサービスへ迎えに行ったことも何度もある。昨年の休校中はきょうだいを預かってくれるところがなく、母が仕事に行っていたため、平日は私とべつのきょうだいが交代でそのきょうだいの世話をしていた。その間は学校からの課題や勉強ができなかった。

私が中学生で、きょうだいが幼かった頃、夜遅くまで世話をしていて学校の授業に集中できないことがあった。

学校の書類を英語や日本語だけではなく他の言語を増やしてほしい。なぜなら親が日本語を上手く使えないから自分が全ての書類を書かなければならず、新学期は大変なことがよくある。

ヤングケアラーの人数は、推計50万人以上

世話をしている家族がいると答えた学生は、以下のようになっています。(文部科学省調べ

小学6年生6.5%(約15人に1人)
中学2年生5.7%(約17人に1人)
全日制高校2年生4.1%(約24人に1人)
定時制高校2年生8.5%(約12人に1人)
通信制高校生11.0%(約9人に1人)
世話をしている家族がいると答えた学生

しかし、自分がヤングケアラーにあてはまると思うか聞いたところ、「あてはまる」と答えたのは以下のようになりました。(文部科学省調べ

小学6年生
中学2年生1.8%
全日制高校2年生2.3%
定時制高校2年生4.6%
通信制高校生7.2%
自分がヤングケアラーにあてはまると思うか聞いたところ、「あてはまる」と答えた学生

つまり、「自分自身がヤングケアラーである」という自覚がなく、家族の世話が常態化している学生が半数も存在しているということになります。

ヤングケアラーが毎日ケアに費やす時間は何時間?どのくらいの頻度でケアをしている?

ヤングケアラーが平日1日にケアに費やす時間は、以下のようになっています。(文部科学省調べ

小学6年生平均2.9時間
中学2年生平均4.0時間
全日制高校2年生平均3.8時間
定時制高校2年生
通信制高校生
ヤングケアラーが平日1日あたりに世話に費やす時間

また、ヤングケアラーの中で、平日1日あたり7時間以上世話に費やしている人の割合は、以下のようになっています。(文部科学省調べ

小学6年生7.1%
中学2年生11.6%
全日制高校2年生10.7%
定時制高校2年生9.7%
通信制高校生24.5%
ヤングケアラーの中で、平日1日あたり7時間以上世話に費やしている割合

さらに、ヤングケアラーが世話をしている頻度について「ほぼ毎日」と答えた割合は、以下のようになっています。(文部科学省調べ

小学6年生52.9%
中学2年生45.1%
全日制高校2年生47.6%
定時制高校2年生35.5%
通信制高校生24.5%
ヤングケアラーが世話をしている頻度について「ほぼ毎日」と答えた割合

ヤングケアラーが世話を始めた年齢は何歳の時が多い?

ヤングケアラーが世話を始めた年齢については、以下のようになっています。(文部科学省調べ

小学6年生
中学2年生平均9.9歳
全日制高校2年生平均12.2歳
定時制高校2年生
通信制高校生
ヤングケアラーが世話を始めた年齢

ヤングケアラーの抱える4つの問題点

ここまで、ヤングケアラーの現状を実態調査による数字で見てきました。私たちの想像以上に、ヤングケアラーの当事者たちは大変な生活をしていることが感じ取れたかと思います。

ここからは、ヤングケアラーが抱える4つの問題点について解説していきます。ヤングケアラー問題の本質について考えていきたいと思います。

問題点①:学業に集中できない、学校生活を楽しむことができない

ヤングケアラーの多くは学生です。彼らは学校に通いながら子供が親の介護を行っていますが、ケアが忙しいとどうしても学校生活や学業が疎かになってしまいます。ヤングケアラーからよく寄せられる声として、以下のような例があります。

  • 年下の兄弟の声がうるさくて、勉強に集中できない
  • 親のケアのため、学校を欠席したり途中で早退しなければならないことが良くある
  • 親が日本語が分からないので、勉強を教えてもらいにくい
  • 家族のケアがあるため、修学旅行や友達と遠出などに行けない
  • 家族のケアがあるため、部活動に参加できない。友達と遊ぶ時間がとれない。
  • 家庭を支えるため、大学に進学せず働く道を選ばざるを得ない
  • 毎日のケアに疲れて、授業中よく寝てしまう

問題点②:肉体的疲労・精神的疲労

ヤングケアラーたちは、若いうちから何年にも渡ってケアを担っています。そのため、介護する子どもたちは肉体的にも精神的にも疲弊している事例が多数存在します。

家族のケアのために睡眠があまり取れなかったり、料理や洗濯といった家事で疲労していたり、買い物から子供の送り迎えまで担っているケースもあります。また、終わりの見えないケアによって、鬱や精神疾患を患うこともあります。(下記の「ヤングケアラーの女子高校生が疲れ果てて精神科に入院」という漫画が非常に分かりやすいです)

文春オンライン
“ヤングケアラー”の女子高校生が疲れ果てて精神科に入院…久しぶりに顔を合わせた母親が娘にかけた「耳を疑... 統合失調症の母、家庭に無関心な父、特別扱いされる弟、 認知症の祖父――ゆいは幼稚園のころから、買い物・料理・ そうじ・洗濯など家族の世話を一手に担っている。『私だ...

問題点③:自分のやりたい事ができない

ヤングケアラーたちは、時間的余裕・肉体的余裕・精神的余裕・金銭的余裕がない事が多く、自分のやりたい事を行うことができない傾向にあります。また、ヤングケアラーは自分の事よりも家族やケア対象のことを重要視することが多く、自分自身の幸せを疎かにしがちです。

そのため、進路を考える際にも「自分のやりたい事より家庭優先」で考えてしまい、大学に行きたくても高卒で働くという事例が発生しています。

問題点④:相談をする相手がいない

ヤングケアラーのうちケアの相談を誰かにしたことがある人は、全体のわずか21.6%に留まっています。「誰に相談すればいいか分からない」「相談する事で家族に連絡が行き、家庭に迷惑がかかる」「学校の先生に相談しても助けてくれず、それ以降相談する意味がないと悟った」などの理由から、ヤングケアラーたちは本質的に相談をしにくい状況に置かれています。

また、毎日ハードなケアを担っていながらも「誰かに相談するほどの悩みではない」と思い、相談に至らないケースも多数存在します。相談相手がいないことで、ケア問題を1人で抱え込んでしまい、つらい思いをしてしまいます。

日本ではヤングケアラーがなぜ増えるのか?ヤングケアラー増加の原因とは

日本では、ヤングケアラーがなぜ増えるのでしょうか?その原因として、家庭環境の変化が挙げられています。(厚生労働省調べ

一世帯当たりの人数1953年:5人2016年:2.47人
共働き数1980年:614万世帯2017年:1188万世帯
母子世帯の数1988年度:84.9万世帯2011年:123.8万世帯
平均寿命1947年:男性50.06歳、女性53.96歳2019年:男性81.41歳、女性87.45歳
高齢者数1965年:618万人2018年:3557万人
精神疾患患者数1999年:204.1万人2014年:392.4万人
日本の家庭環境の変化

ケアを必要とする高齢者が増えるのに対し、子どもの数は減少していて、さらに共働きにより両親が家にいないという家庭が増えています。それにより、高齢者を子供が介護することが増えています。また、原因の1つとして、精神疾患を抱えた親を子供が介護する事例増加しています。

ヤングケアラーが行っているケアは、家事・感情面のケア・家庭管理・きょうだいのケアが多くなっています。(厚生労働省調べ

埼玉県ケアラー支援計画のためのヤングケアラー実態調査結果

なぜ近年になってヤングケアラー問題が注目され始めた?

ヤングケアラーという言葉自体は最近になって聞くようになりましたが、子どもが家庭の世話を行うという事例は昔から存在していました。ではなぜ近年、ヤングケアラーの問題が注目され始めているのでしょうか?

まず1つ目は、新型コロナの流行による在宅環境の増加です。在宅勤務やリモート授業が増えると、ヤングケアラーたちの負担は増してしまいます。日夜子供が親の介護を行っているヤングケアラーたちの姿が、テレビや新聞に取り上げられ、ヤングケアラーに注目が集まりました。

ヤングケアラー問題が注目され始めた理由の2つ目は、学校でヤングケアラーに関する授業が行われ始めているからです。近年、道徳の授業で「ヤングケアラーとは?」「どんな人がヤングケアラーにあたるのか?」「子供が親の面倒を見る場面とは?」といった講義が始まっています。これにより、子ども達と親にヤングケアラーという存在が認知されはじめ、ヤングケアラー問題の注目に繋がっています。

海外のヤングケアラー問題と、行っている対策とは?

ヤングケアラー問題は日本だけでなく、全世界的に問題として取り上げられています。海外でヤングケアラーは「young carer」と呼ばれています。海外では、ヤングケアラーに対してどのような支援が行われているのでしょうか?また、日本のヤングケアラーに対する取り組みは世界で見るとどの程度進んでいるのでしょうか?

ここからは、世界で最もヤングケアラーに先進的な支援を行っているイギリスの事例を紹介しつつ、世界各国のヤングケアラーに対する取り組みを紹介していきます。

世界で最もヤングケアラーに先進的な支援を行っている国はイギリス

世界で最もヤングケアラーに対して先進的な支援を行っている国はイギリスです。1993年にケンブリッジ大学で世界で初めてヤングケアラーに関する論文が発表され、そこからイギリスではヤングケアラーの関心が集まるようになりました。「ヤングケアラー」という言葉自体も、イギリスが発祥です。

ヤングケアラー問題の解決のために、イギリス政府は2014年に「子どもと家族に関する法律」を制定しました。この法律では、ヤングケアラーに「支援を受ける権利」を認め、地方自治体がヤングケアラーに支援を行うことを義務づけています。また、イギリスでは学校の先生が休みがちな生徒に聞き取りを行い、ヤングケアラーの発見に努めています。さらに、資格を持ったNPOの人が、ヤングケアラーの介護を肩代わりしたり、悩みを相談できる場を提供しています。

世界各国のヤングケアラー支援状況

ヤングケアラー研究の第一人者であるケンブリッジ大学のベッカー教授によると、世界各国のヤングケアラー支援状況は以下のようになっているそうです。

レベル支援状況該当国
レベル 1「持続的な支援が講じられている」該当なし
レベル 2「先進的な支援が講じられている」イギリス
レベル 3「中程度の支援が講じられている」オーストラリア、ノルウェー、スウェーデン
レベル 4「支援が準備段階にある」オーストリア、ドイツ、ニュージーランド
レベル 5「支援が準備段階にある」ベルギー、アイルランド、イタリア、サハラ砂漠以南のアフリカ、スイス、オランダ、アメリカ
レベル 6「支援が必要だという認識が起きつつある」ギリシャ、フィンランド、アラブ首長国連邦、フランス
レベル 7「支援の動きなし」日本、その他の国
参照:https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20210430yc.html

レベル3のオーストラリアでは、ヤングケアラー発見プログラムの実施や、ヤングケアラー専用サイトによる情報発信などを行っています。レベル5のアメリカでは、主にNPOのボランティアがヤングケアラー支援を担っていて、ヤングケアラーのストレスチェックや相談場所の提供、ヤングケアラー同士でのキャンプなどを行っています。

日本は、世界の中で最もヤングケアラー支援状況が悪い「レベル7」に該当しています。

ヤングケアラーに対する自治体や学校の取り組み

ここ数年で、ヤングケアラーに対する認知度が高まってきたことにより、自治体や行政がヤングケアラーに対する支援を行う事例が生まれ始めています。ここでは自治体や行政・学校などが取り組むヤングケアラー支援について解説していきます。

神戸市:自治体として初めてヤングケアラーの相談窓口を設置

神戸市は、2021年に全国で初めてヤングケアラー向けの相談窓口を設置しました。神戸市では2019年に、22歳の幼稚園教諭が自分の祖母を殺害したという事件が発生しました。この女性は、数か月間1人で認知症の祖母を介護していて、介護疲れに陥っていました。この事件が発生したことにより、神戸市はヤングケアラーに対する重要度を理解し、全国初のヤングケアラー向け相談窓口設置に至りました。

その結果、2022年10月末までに229件の相談が寄せられました。しかし、相談のほとんどがケアラー本人からではなく、学校のスクールカウンセラーからやケアラーの親からでした。そのため、窓口を設置したからといって、ヤングケアラー本人からの相談が集まるわけではないことが明らかになり、ケアラーからの相談をどう集めるかが今後の鍵となっています。

埼玉県:全国で初めてケアラー支援に関する条例を制定

埼玉県は、2020年に全国で初めてケアラー支援条例を制定しました。この埼玉県ケアラー支援条例の中にはヤングケアラーの項目も含まれていて、学校に対して「ヤングケアラーの相談に乗り、適切な機関への取り次ぎを行うよう努める」ことを求めています。

2023年3月時点でケアラー支援の条例を施行している自治体は、以下の通りです。

  • 茨城県
  • 埼玉県
  • 栃木県
  • 鳥取県
  • 長崎県
  • 北海道
  • 岡山県総社市
  • 岡山県備前市
  • 埼玉県さいたま市
  • 埼玉県戸田市
  • 栃木県鹿沼市
  • 栃木県那須町
  • 奈良県大和郡山市
  • 福島県白河市
  • 北海道栗山町
  • 北海道浦河町
  • 三重県名張市

高崎市:ヤングケアラーへ生活支援のサポーターを派遣

高崎市では、2022年からヤングケアラーへのサポーター派遣制度を開始しました。ヤングケアラーが行っている家事や介護などを行うサポーターを無料で派遣し、ヤングケアラーの生活改善を目指しています。

高崎市のヤングケアラーSOS制度の概要は、以下のようになっています。

利用時間1日2時間、週2日まで
支援内容掃除・洗濯・買い物・料理などの家事、兄弟の世話、高齢の家族や障害のある家族への介護
対象家事や介護などを日常的に行っている小学生・中学生・高校生
費用無料
高崎市のヤングケアラーSOS制度

学校:児童の生活を支援するスクールソーシャルワーカーの配置

スクールソーシャルワーカー(SSW)とは、児童の家庭や生活環境などの問題解決を行う人のことです。スクールカウンセラーは児童の心のケアを行う職種ですが、スクールソーシャルワーカーは児童の生活環境全体に解決を行う職種です。スクールソーシャルワーカーが取り組む内容としては、以下のような事例があります。

  • 家庭内暴力を受けている児童の家庭に訪問し、児童相談所と協力して児童の生活改善を行った
  • うつ病で不登校の児童に対して、定期的な面談の実施
  • 子供が親の面倒を見るため時間がなく、進路相談に来れない生徒に対して、個別に相談を実施

スクールソーシャルワーカーになるための専門資格などはありませんが、主に教育と福祉に関する知識・経験を持つ人が担当することが多いです。

ヤングケアラーに対する支援もスクールソーシャルワーカーが担っていて、大阪府ではほぼすべての府立高校にヤングケアラー支援のためのソーシャルワーカーを配置しています。

ヤングケアラーに対する企業・法人の取り組み

国や自治体だけでなく、企業や法人もヤングケアラーに対する支援を行い始めています。その事例はまだまだ少ないですが、ここではヤングケアラー支援に取り組む2つの企業・法人について紹介していきます。ヤングケアラーに関わる仕事やボランティアに興味があるという方は、これらの企業に連絡してみても良いかもしれないです。

日本財団:ヤングケアラーとその家族に対する支援事業を実施

日本財団では、2021年からヤングケアラーとその家族を支えるための支援プロジェクトを実施しています。その一例として、

  • 東京都府中市や愛媛県新居浜市、長崎県大村市などで、自治体によるヤングケアラーの発見と支援モデルを構築
  • ヤングケアラー支援を行っているNPOや企業へ、資金の助成
  • ヤングケアラー問題の認知度向上のための啓発活動

などを行っています。

また、中長期的には「ヤングケアラーを支える人材」の育成や、政府への政策提言などを展開する予定です。

チャーム・ケア・コーポレーション:老人ホーム運営事業と並行し、ヤングケアラー支援を行う

株式会社チャーム・ケア・コーポレーションは、高齢者向けの老人ホームを運営している企業です。NPOではなく一般企業ですが、事業と並行してヤングケアラーの支援を行っています。

支援①:ヤングケアラーの介護を自社の老人ホームで引き受けることで、ヤングケアラーの自由な時間を作ってあげる。

支援②:ヤングケアラーに自社の老人ホームでアルバイトをさせてあげることで、家計を支えながら介護スキルを身に付ける事ができる。シフトは各ケアラーの状態に配慮して自由に設計できるようになっている。

支援③:チャーム・ケア・コーポレーションに入社したヤングケアラーの、奨学金返済を肩代わりしている。

現在は神戸市のみでヤングケアラー支援を行っていますが、将来的には兵庫県や全国に支援活動を広げていく予定です。

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ヤングケアラーを支援したいと思った時、私たちができることは?

ヤングケアラーたちは、家族のケアに日々奔走しています。しかし、ヤングケアラーに安易に「家事を手伝うよ」「困っていることはない?」と聞くのは、良くないことです。なぜなら、ヤングケアラーの中には「あまり家庭に介入してほしくない」と考える方もいるからです。では、私たちがヤングケアラーを支援したいと思った時に、何ができるのでしょうか?

まずは、「ヤングケアラーという存在を認知する事」です。日本でのヤングケアラーの認知度は29.8%とまだまだ低い状態です。ヤングケアラーの事を知らなければ、子供が介護することの大変さを理解できなかったり、支援をしようという動きにも繋がりません。ヤングケアラーの認知度が高まれば、学校や行政などからの支援も増えていきます。そのため、まずは私たち自身がヤングケアラーのことを適切に知ることが大切です。

次に、困っているヤングケアラーがいたら、話を聞いてあげましょう。ヤングケアラーたちの問題を私たちが解決することは難しいですが、話を聞いてあげることだけならできるのではないでしょうか。ヤングケアラーたちも、解決策を答えて欲しいというより、「相談に乗って欲しい」「話を聞いてほしい」と思っている人が多いです。そのため、ヤングケアラーたちと親身に向き合い、話を聞いてあげましょう。話を聞いた中で、どうしても専門機関に相談した方がいいと思った場合は、ヤングケアラーの方と一緒に下記の窓口に相談してみてください。

ヤングケアラーの相談窓口一覧

ヤングケアラーの方で、何か困っていることがあれば下記の相談窓口へ連絡してみてください。「相談しても何も変わらない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ヤングケアラーを熟知した方々が相談に乗ってくださるので、自分がヤングケアラーに診断されているか分からなくても、まずは連絡してみてください。

政府が運営するヤングケアラー向け相談窓口

  • 児童相談所相談専用ダイヤル(TEL:0120-189-783):子どもの福祉に関する様々な相談を受け付けています。24時間対応しているフリーダイヤルです。
  • 24時間子供SOSダイヤル(TEL:0120-0-78310):子どもについての相談を受け付けています。24時間対応しているフリーダイヤルです。
  • こどもの人権110番(TEL:0120-007-110):周りに相談できない子どもからの相談を受け付けています。月曜日~金曜日のAM8:30~PM5:15まで対応しているフリーダイヤルです。

非営利団体が運営するヤングケアラー向け相談窓口

自治体が運営するヤングケアラー向け相談窓口

各都道府県・各市区町村単位でヤングケアラーの相談窓口を設置しています。ご自身の住んでいる県や市のHPを確認してみてください。

まとめ:ヤングケアラー問題は、まだまだこれからの社会問題

ここまで、ヤングケアラー問題の実態や事例、政府や企業が行っている対策内容について、わかりやすく簡単に解説してきました。ヤングケアラー問題は、日本では注目され始めてまだ3年程度の、比較的最近の社会問題です。そのため、問題自体の知名度も低く、まだまだ行政や民間の解決策が追い付いていないのが現状です。私たち自身がヤングケアラー問題に対して、しっかりと理解を深め知っていくことが、問題解決への一歩となります。

ソーシャルエッグでは他にも、社会問題に関する解説記事を掲載しています。また、これらの社会問題に取り組む企業や法人にインタビューを行い、彼らの取り組みや想いについて伺っています。関心がありましたら、ぜひそちらもご覧下さい。

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この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

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