障がいを持った方や、高齢で身体介助が必要な方は、なかなか遠出の旅行をすることができない。家族に連れて行ってもらおうにも、「家族に迷惑がかからないか」という不安があり、結局旅を諦めてしまう。そんな現状を解決するため、榎本氏は徳島県阿波市に、「民宿 旅の途中」をオープンした。
この民宿はバリアフリー化されていて、運営スタッフは介護士の資格を持っている。そのため、急な容態の変化やお風呂のサポートなども対応してもらえる。
また、この民宿では「福祉事業者の心の支援」にもフォーカスをしている。福祉事業者は、毎日の繁忙な仕事に追われ、ふと「なぜこの仕事をしているんだろう?」と思ってしまう人も多い。そこで、この宿での出会いを通して、利用者に喜んでもらう価値・自分の力で誰かを助ける感覚を思い出してもらい、喜んで仕事に取り組める心に戻ってもらうことも目的としている。
一期一会の旅での介助を通して、当事者も福祉事業者も、双方が喜びを得られる民宿を目指していく。