高知県北川村は、全国トップクラスのゆずの栽培量を誇る村。ここでは、ゆずは果肉だけでなく、果汁や皮までも幅広く活用されてきた。しかし、ゆずの種だけは使い道がなく廃棄されていた。このゆずの種に含まれるエキスが、髪のダメージケアにぴったりな事を、創業97年の化粧品メーカー「ウテナ」が着目し、ゆずの種を使ったオーガニックヘアオイルを開発した。
「ゆず油」は累計500万個以上も売れた大ヒット商品になり、1億個以上のゆずの種を再利用された。2021年にはより環境に配慮した商品として、ボトルには再生ガラスを、オイルミストにはバイオマスPET、詰め替え用パッケージにはボタニカルインキ印刷を採用した。
今後は、ゆずが安定的に生産できるよう、北川村の地域活性化にも取り組んでいく。北川村は、人口減少と後継者不足問題から、ゆずの収穫が追い付かない年もあるという。そこで、ウテナの社員が収穫支援を行ったり、地元の中学生とゆず石鹸を開発し、ゆず栽培の魅力を伝えている。20年~30年という長いスパンで、持続的にゆず栽培とゆず油が利用されていく未来を目指している。
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