あえて効率の悪い方法で牛乳を作る?アリマン乳業が手がけるホエイの再利用プロジェクトとは

宮崎県児湯郡に本社を置くアリマン乳業。温暖な宮崎県の気候で育むアリマン乳業では、「低温殺菌製法(63℃で30分殺菌)」「指定酪農家(地元の酪農家の乳だけを使用)」「自社配送(アリマン乳業の社員が配達)」といった、あえて効率の悪い方法で牛乳の生産を行っている。その理由は「本当に美味しい牛乳を消費者に届けるため」だ。

現代の牛乳市場は、高利益を目的とした大量製造・長期保存の牛乳ばかりとなっていて、消費者が本来の牛乳の味を忘れている。そのため、「本当に美味しい牛乳を消費者に知ってもらいたい」という想い一筋で、「受注生産」「製造から1週間以内に顧客に届ける」「極めて生乳に近いノン・ホモジナイズ牛乳の製造」などを手がけている。アリマン乳業は「生乳の価値を上げる」ことを、創業以来一貫した目的としている。

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そんなアリマン乳業は、従来廃棄されてしまうホエイを再利用するプロジェクトを行っている。ホエイとは、チーズを作る際に出る水分のことだ。チーズを製造する際に、生乳の7割もホエイが出てしまうが、取引価格が低いためほとんどの中小企業では廃棄してしまっている。また、近年チーズの価格が上昇しており、宮崎県内の飲食店・加工店でも宮崎県産のチーズが使われることは少ない。そこで、ホエイを新たな商品に生まれ変わらせることで、安価に宮崎県内産チーズを使ってもらえるとともに、食料廃棄物の減少にも繋げられるという考えだ。

現在、アリマン乳業ではホエイを使った商品を2種類販売している。

1つ目は「そのまま【純】ホエー」。美味しく、それでいて栄養素がたっぷりと入ったホエイ商品だ。そのまま飲んだり、料理に入れて使ったりすることで、たんぱく質やカルシウムをたっぷりと取る事ができる。

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2つ目は「ぺろっと食べれるスープ鍋の素 トマト味」。こちらはホエイと有効活用されていない干しシイタケから作られた鍋の素で、グアニル酸やアミノ酸などの旨味成分がたっぷりと含まれている。ここにトマトを加えることで、冬に嬉しい濃厚な味わいの鍋を楽しむ事ができる一品だ。

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こうした地域の食材を活かした社会課題解決への取り組みが宮崎県に評価され、みやざきLFPにも選出されている。

今回紹介した商品以外にも、「牛乳のみ比べセット2種」や「のむヨーグルト」「とろんとろんヨーグルト」など様々な商品が販売されている。社会課題解決の助けになりながら、本当に美味しい乳製品を食してみたい方は、ぜひアリマン乳業の商品を購入してみてはいかがだろうか?オンラインショップからの購入も可能だ。

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この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

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