「株式会社Innovation Design」社員一丸となってサステナビリティ推進に本気で取り組む企業

今回は、おみやげショップや結婚式・レストランなどで様々なサステナブルな事業を展開する、株式会社Innovation Designの和田さんにインタビューを行いました。

  • 社内にサステナビリティを取り入れたいと考えている事業者の方
  • 小売店・飲食店のサステナビリティに関心がある方
  • 社会に良い事業を行っている事業者を応援したい方

はぜひ読んでいただけたらと思います!

目次

プロフィール

【インタビュワー情報】
株式会社Innovation Design
和田 奈央

【事業内容】
haishop:社会課題解決を目指すおみやげショップ
haiwedding:社会課題解決を目指す結婚式
カフェ2店舗・レストラン2店舗:社会課題解決を目指すサステナブルレストラン

株式会社Innovation Designとは

株式会社Innovation Designは、「ひと」と「地球」の未来を描く会社

下谷

本日はインタビューをお受け頂き、誠にありがとうございます。

本日のインタビューは、横浜の馬車道にあるInnovation Designさんが運営されているサステナブルカフェ「haishop cafe yokohama」で行っております。本日はよろしくお願い致します。

サステナブルカフェ:haishop cafe yokohamaにてインタビューをさせて頂きました
和田

はい、よろしくお願い致します。

下谷

まずは、株式会社Innovation Designについて教えて頂けますか?

和田

はい。弊社は元々、2010年に『「ひと」と「企業」の未来を描く』というビジョンで設立した会社で、事業再生コンサルティングを行っていました。

国内だとハウステンボスさんのコンサルティング、チームラボさんと共同で福岡城跡にて冬の風物詩イベントなどを手がけさせて頂きました。海外だと、ハワイでウェディングの共同事業や、スリランカでホテル開業プロジェクトなどを手がけさせて頂いておりました。

和田

しかしながら、2020年に会社のビジョンを『「ひと」と「地球」の未来を描く』に一新し、サステナビリティを推進する会社に変わりました。

その後、2022年12月にB Corp認証を取得致しました。

【B Corp認証とは】

社会や環境に配慮した公益性の高い企業のみが認証される、国際認証制度。200以上の項目から80点以上を獲得する必要があり、日本で認証されている企業は29社のみ(2023年7月時点)

https://www.bcorporation.net/

和田

現在弊社の大きな軸としては、「コンサルティング事業」「小売事業」「飲食事業」の3つとなります。この3つ全てにおいて、社会課題の解決を目指す事を掲げています。

企業の事業再生に取り組む企業から社会課題解決を目的とした企業に一新、そのために全社員でサステナブルの勉強に取り組んだ

下谷

なるほど。

どういったきっかけから、会社の方針をサステナブルを行う社会課題解決企業に一新したのでしょうか?

和田

弊社は、2019年にレストラン2店舗、ここhaishop、そしてカフェをオープンさせました。その後、食品ロス削減に取り組む地元の農家さんとの出会い、障がいを持った方が働くお菓子工房との出会いがありました。

さらには、代表が数年前に訪れたニューヨークで、サステナブルが一般化されている社会を目の当たりしたことに、共感を得たといいます。

それらの流れがあり、代表が2020年の年始に、「サステナビリティを推進する会社にしていこう」と、大きく舵を切りかえました。

下谷

様々な社会問題に触れる中で、それらの問題を解決したいと思うようになられたんですね。

和田

はい、そうですね。ただ会社のビジョンを一新し「これからサステナブルを軸に仕事をしていこう!」と舵を切り替えた矢先、コロナ禍で実店舗を休業せざるをえなくなりました。

しかし、この期間を好機と捉え、「実店舗を運営できない間は、サステナビリティの勉強期間にしよう」と考え、全社員でとにかくサステナビリティについて勉強しました。

和田

社員全員がサステナビリティについては初心者だったため、さまざまな方法でサステナビリティについて学びました。サステナブル国際会議に出席したり、サステナビリティに関するセミナーに参加したり…。

「サステイナブルレストラン協会」という存在を知ったことをきっかけに、そこで「アニマルライツ」や「再生可能エネルギー」などの項目について、社員全員で勉強会を行いました。

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下谷

会社の方針を急に「サステナブルに変えよう!」となったのに、この方針に一丸となって取り組む社員さんもすごいですね。

和田

そうですね、弊社の社員は熱量が高めなので、「よし、やろう!」となりました。

ただ勉強する事は多いし、社会問題は奥が深いので、まずはできることからやっていこう!ということで、まずはペットボトルを使わず、マイタンブラーを使うといった小さなことから、全社員でチャレンジしてみよう!と取り組みました。

下谷

会社の方針をサステナブルを基準にしたことで、社員さんの心持ちで変わった事はありましたか?

和田

そうですね、「弊社の向かう方向がわかりやすくなった」というのはありましたね。私たちは社会にとって良い仕事を行っているという認識は、仕事のモチベーションに繋がっています

株式会社Innovation Designが手がける3つの事業について

下谷

ではここからは、株式会社Innovation Designさんで行われている事業の内容について、詳しくお伺いさせて頂きたいと思います。

御社は3つのディビジョンで構成されているのですよね。

和田

はい。『おみやげ』を通して 社会的課題の解決を目指すおみやげショップ「haishop」、食を通して社会的課題の解決を目指すサステナブルレストラン「haishop cafe」「KITCHEN MANE」「KIGI」、結婚式を通して社会的課題の解決を目指す「haiwedding」の3種類の事業を行っています。

haishop:社会課題解決を目指すおみやげショップ

ソーシャルグッドな商品が多数並んだ店内
和田

haishopは、日本のおみやげを通して社会課題の解決を目指そうというコンセプトで事業を行っています。

和田

haishopでは、「おみやげ」という社会課題解決の手法に、すごくこだわっています。ギフトショップや、セレクトショップではなく「おみやげ」という形にすることで、気軽に手に取って頂きやすいと考えています。

「美味しそう」「かわいい」といった第一印象からおみやげを手に取って頂き、そこから社会問題に関心を持って頂ければと考えています。

下谷

おみやげを社会課題に関心を持ってもらう「きっかけ」としていらっしゃるのですね。

haishopさんで商品を取り扱う際に、どのような事を重視して選ばれていますか?

和田

弊社が商品を選定する際には、下記4つの基準を基にしています。

和田

1つ目に、日本製であること

世界中様々な社会問題がありますが、まずは日本国内の経済を循環させ、国産国消をしっかりと行って行きたいと考えています。ただ、フェアトレードの商品に関しては日本産の商品でなくてもイレギュラーで取り扱っています。

和田

2つ目に、デザインが良いこと

どれだけ中身が素晴らしくても、見た目が良くない商品だと、手に取って頂くことは難しいと感じています。「ちょっと可愛くないなぁ」「おみやげとして人にあげるにはちょっとなぁ」というデザインだと、やっぱりなかなか手に取って頂きにくいので、デザインが良いことは大事だと考えています。

和田

3つ目に、伝えるストーリーがあること

私たちは店舗でお客様に、商品にまつわるストーリーをお伝えさせて頂いています。これによって、「こんなことがあるんだ」「これってすごく共感できるな」と思って下さる方を1人でも多く増やしていくことで、社会課題の解決に一歩近づけると考えています。

和田

最後に、社会課題の解決をサポートしていること

この4つに該当する商品をhaishopでは取り扱っています。弊社の軸としては、上述した4つの内容しかないので、これらに沿っていれば基本的にはお取り扱いさせて頂いております。

食べ物や小物・バッグなどが販売されている
下谷

haishopさんの商品は、haishopさん側からアプローチをして取り扱い始めるのでしょうか?それとも、相手の会社さんから持ち込みで取り扱いを始めるのでしょうか?

和田

どちらもありますね。すごくメッセージが素敵だなと思ってこちらからお声がけさせて頂くこともあれば、「こういう社会問題を解決したいと思っていて、取り扱って頂けませんか?」という声を頂くこともあります。

下谷

haishopさんはECでの販売も行われていらっしゃいますが、ECから購入される方と店舗から購入される方だと、どちらが多いのでしょうか?

和田

店舗から購入してくださる方が多いですね。ふらっと寄って下さる方が多いですが、ここ1-2年程はお店のコンセプトに惹かれて足を運んでくださる方も増えてきています。

下谷

なるほど。

haishopさんでは、社会課題を伝えるアートの展示も行われていますよね。こちらはどういった理由で行われていらっしゃるのでしょうか?

和田

はい、haishopでは店舗の一部を貸し出して、ソーシャルギャラリーの展示を行っています。これは、社会問題を解決するためにプロダクトを作られている方々に、何か支援できないかと思って始めた活動です。

今年の6月には、ドアレスアートオキナワという、沖縄で障がい者アートを作られている方の作品を展示しました。彼らは沖縄県内でずっと展示販売を行っていたのですが、今回haishopのお店の一区画をご利用いただきました。「実物を見てみたかったけど沖縄まで足を運べなかった」という関東の方が来て下さったりしましたね。

haishopjapan
haishop|社会的な課題の解決を目指すおみやげショップ haishopは社会的な課題の解決を目指すおみやげショップです。おみやげを通して社会的な課題を知ってもらい、共感してもらいライフスタイルを少しだけ変えようと思う”仲間”...

haiwedding:社会課題解決を目指す結婚式

みなとみらいが一望できる結婚式場
和田

haiweddingは、結婚式を通して社会課題の解決を目指そうというコンセプトで事業を行っています。先人が築いてきた「結婚式」の文化を守りながら、自然、大地、人々が共生できる社会について、考えるきっかけを作り、サステナブルな地球の未来を描いていきます。

和田

例えばウェディングドレス、こちらは世界初となるフェアトレード認証を取得したウェディングドレスを取り寄せています。バングラデシュの職人の方々が作成した純白のドレスは、現地の子どもたちの教育資金に使われています。

また食においては、ウェディングヴィーガンコースを用意していて、野菜の色彩と旨味を最大限に活かしたヴィーガンの方向けのコース料理を用意しています。式場で提供する料理は、なるべく廃棄が出ないよう、積極的にお持ち帰りも勧めています。

下谷

なるほど。結婚式の式場もInnovation Designさんが運営されていらっしゃるのでしょうか?

和田

はい、今インタビューしている場所の35階に、KITCHEN MANEというレストランを運営しており、レストランウェディングを行っています。東京のレストラン「KIGI」でもレストランウェディングを行なっています。

こちらもみなとみらいが一望できるレストラン
下谷

眺望がとても綺麗な結婚式場ですね…みなとみらいが一望できる眺めですね!haiweddingを利用される方は、サステナブルに関心がある方や、ヴィーガンの方などが多いのでしょうか?

和田

まだまだ、そういったお客様は少数派ではあります。

ただ、選んでくださった方に、環境・社会・調達に配慮したレストランのコンセプトについてお伝えすると、共感して頂けることがとても多いです。こうして一般の方々にサステナブルに関心を持ってもらい、社会課題解決に繋げていけたらと考えています。

haiwedding |
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サステナブルレストラン:食を通して社会的課題の解決を目指すレストラン・カフェ

渋谷と横浜に1店舗づつあるhaishop cafe
和田

サステナブルレストランは、食を通して社会課題の解決を目指そうというコンセプトで事業を行っています。

食のサステナビリティ推進を目的としていて、無農薬や規格外の野菜を使用する、半径80km以内で収穫された野菜を使用する、8割のメニューをヴィーガン対応にする、などの対応を行っています。サステナブルレストランでは食に関する方針を明確に定めていて、徹底したサステナビリティの実現を目指しています。

調達方針: 調達方針.pdf
食料廃棄に関する方針: 食料廃棄方針.pdf
廃棄物処理方針: 産業廃棄物方針.pdf
健康的な食時に関する方針: 健康的な食事の方針.pdf

下谷

生ごみをコンポストにしたり、マイタンブラーの持参を推奨したりと、提供する食だけでなく店舗の運営全体からサステナビリティに取り組んでいらっしゃるんですね。

和田

そうですね、弊社が運営するカフェとレストランは全て、サステナブルレストラン協会の「FOOD MADE GOOD」の三つ星を獲得しています。

店舗で用いる食材だけでなく、食材の調達先から廃棄問題、環境への負荷等に対してもサステナビリティに配慮した運営を行っています。

【FOOD MADE GOODとは】

飲食店の食材調達や運営のサステナビリティを格付けする国際プログラム。2010年にイギリスで創設され、全世界12000店舗以上の飲食店に影響を与えている。日本では株式会社Innovation Designが初めて三つ星を獲得した。

https://foodmadegood.jp/

下谷

なるほど。Innovation Designさんが運営されているカフェとレストランは、全部で4店舗あるのですよね。

和田

はい。レストランは、ここ(横浜 馬車道)の35階に1店舗(KITCHEN MANE)と、溜池山王に1店舗(KIGI)あります。カフェはここ(横浜 馬車道)に1店舗と、渋谷のスクランブルスクウェアに1店舗あります。

あとは、大阪では、Stella McCartneyが自ら監修した世界初のカフェを運営しています。

溜池山王のレストラン:KIGI
haishopjapan
404 Not Found haishopは社会的な課題の解決を目指すおみやげショップです。おみやげを通して社会的な課題を知ってもらい、共感してもらいライフスタイルを少しだけ変えようと思う”仲間”...

「美味しそう」「かわいい」「楽しそう」ポジティブな気持ちから社会課題を伝えていきたい

下谷

haishopやサステナブルレストランに来られる方は、元々社会問題に関心がある方が多いのでしょうか?

和田

意外とそんなことはないですね。例えばソーシャルギャラリーだと「たまたま絵が好きでふらっと立ち寄ってみた」という方が多かったり、haishopでは「何かかわいいなと思って手に取ってみた」という方が多かったりしますね。

なぜなら、弊社が運営する事業では、あえてサステナブルやSDGsを前面に押し出していないからです。誰でも商品を手に取りやすく、お店に入りやすくすることで多くの方に来店頂き、そこから社会問題に興味を持ってくれたらいいなと思っています。

下谷

なるほど、商品をお客様に提供する際に、社会課題に興味を持ってもらうようにするための工夫はされていらっしゃるのでしょうか?

和田

はい。店舗の場合は商品をお手に取って頂いた際に「この商品はこんなサステナブルに配慮して作られているんですよ」とお伝えしています。レストランやカフェだと、「このかき氷のシロップは無添加なんですよ」「この砂糖はてんさい由来の物を使っているんですよ」などのお声がけをさせて頂いていて、ここから社会問題に興味を持って頂ければと思っています。

美味しそうだな、可愛いな、おしゃれだな、というポジティブな気持ちから商品を手に取って頂き、結果社会問題について少しでも感じてもらえたらいいなと思っています。

ビジネスとサステナビリティの両立を目指す

下谷

ここまでありがとうございました。

最後に、今後Innovation Designさんが行っていこうと思っている事について、教えて頂けますか?

和田

はい。一発逆転の社会課題解決の方法はないと考えています。また、さまざまな角度から多角的に捉えることが大切であるとも思います。

和田

例えばレストランの場合、本当は生ゴミを全部コンポストにしたいと思っているのですが、分解しにくいコーヒー豆があったりするため、まだ全てのゴミを再利用できてはいないです。また、haiweddingでは余った食材はお持ち帰りを推奨していますが、どうしても廃棄されてしまう食材が出てしまっています。

今の段階ではまだ、理想の状態の20%~30%程度しか、サステナブルな行いをできていないと感じています。そこをどう、売上・利益のバランスを取りながら、サステナビリティを推進していけるか、これが今後の課題だと考えています。

下谷

まさしくソーシャルビジネスの難しい所ですよね。社会課題の解決を第一にしたいが、売上を出さないと事業が継続できないと。

和田

そうですね。haishopでは、賞味期限で廃棄になってしまう商品を上手く活用したいのですが、仕入れ値より低い額で販売すると赤字になってしまいますし、フードバンクに寄付をするにも送料コストはかかります。

和田

きちんと売上も出さなければいけない、でもサステナビリティも推進していきたい、この両者のバランスを取ることがすごく難しいですね。売上が上がらず事業が継続できないと、「結局サステイナブルじゃない」ってなってしまいますしね。

だからこそ、ビジネスとしての成功は当たり前に、今よりもっとサステナビリティを推進していきたいですね。

下谷

難しい課題ですが、その両立ができるとより大きなソーシャルインパクトにも繋がりますよね。

今回はインタビューをお受け頂き、ありがとうございました!今後のInnovation Designさんの展開を楽しみにしております!

Innovation Design.,Co,Ltd.|イノ...
Innovation Design.,Co,Ltd.|イノベーションデザイン 「ひとと地球の未来を描く」をヴィジョンに掲げ、事業を通して社会課題の解決を目指す企業です。日本サステイナブル・レストラン協会認定の飲食店格付け「FOOD MADE GOOD」...

まとめ:株式会社Innovation Designは、社員全員がサステナビリティ推進に本気で取り組む企業だった

今回は、おみやげショップや結婚式・レストランなどで様々なサステナブルな事業を展開する、株式会社Innovation Designの和田さんにインタビューを行いました。

Innovation Designさんは会社の方針を一気にサステナブル重視に切り替えている会社でした。ただ、中途半端にサステナブルに取り組むのではなく、社員全員でサステナビリティを勉強し、事業全てをサステナビリティファーストに変更した「本気でサステナブルを推進しようと行動している企業」だと感じました。

ソーシャルエッグでは、ソーシャルビジネスを行っている人・社会起業家の記事が他にもたくさん用意しています。社会に良い事業に興味がある方は、ぜひ他の記事も読んでみて下さいね!

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この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

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