社会問題を解決する仕事に転職したいと考えている人へ。ソーシャルマッチ株式会社代表の原畑さんが伝える、社会問題を解決する仕事の魅力と転職に必要なもの

今回は、「誰もが笑顔で暮らせる世界にするため、社会問題を解決する。」をビジョンに掲げ、社会問題解決事業を営んでいるソーシャルマッチ株行会社の原畑さんに、一般企業から社会問題を解決する仕事に転職する際に大事な事を伺ってきました。

  • 一般企業から社会問題を解決する仕事に転職したいと考えている方
  • 国際協力、東南アジア支援を仕事にしたいと考えている方
  • 社会貢献できる仕事で働くためには、どんなスキルや能力が必要か知りたい方

には、ぜひ読んでいただけたらと思います!

【名前】
ソーシャルマッチ株式会社
原畑 実央

【経歴】
アリババジャパン ⇒ カンボジア移住 ⇒ 最大手日系人材紹介会社CDLで3年間マネジャーを務める ⇒ ソーシャルマッチ株式会社を起業

【携わっている主な事業内容】
ソーシャルマッチ:東南アジアの社会的企業と日本の企業をマッチングする事業
ソーシャルスタディ:大学生向けSDGsインターンシップ提供事業

目次

ソーシャルマッチ株式会社の事業内容について

下谷

今回はカンボジアからオンラインにてインタビューをお繋ぎ頂き、誠にありがとうございます。

本日はソーシャルマッチ株式会社代表の原畑さんより、現在手がけられている事業の内容や、社会課題解決事業を始めた経緯、社会問題を解決する仕事に転職しようと考えている方へ伝えたい事などをお聞かせ頂ければと思います。よろしくお願い致します。

原畑

よろしくお願い致します。

下谷

では初めに、ソーシャルマッチ株式会社さんの企業理念について教えて頂けますか?

原畑

弊社は「世界の社会問題解決プラットフォームになる」ということを目指している企業です。

この目標を達成するために、世界中の社会問題解決に取り組む企業さん同士をビジネスマッチングする事業「ソーシャルマッチ」と、大学生向けSDGsインターンシップ教育事業「ソーシャルスタディ」を行っております。

下谷

ありがとうございます。ソーシャルマッチ株式会社さんでは、現在「ソーシャルマッチ」と「ソーシャルスタディ」の2つの事業を展開されているとのことですね。

ソーシャルマッチ:世界中の社会問題解決に取り組む企業同士をマッチングする事業

ソーシャルマッチにてカンボジアの事業者さんと商談する様子
下谷

ではまず、「ソーシャルマッチ」の事業内容についてお伺いさせて頂けますか?

原畑

現在ソーシャルマッチでは、6ヶ国107社の社会起業家の方と提携し、社会起業家様と日本企業様のビジネスマッチングを行っております。

現在は東南アジアの社会的企業様と、日本のSDGsの取り組みに関心のある企業様の間のみでの展開となっておりますが、今後はこの取り組みを世界中に拡大していきたいと考えております。

ソーシャルマッチ (Social Match)
ソーシャルマッチ (Social Match) 「東南アジア×SDGs」ビジネスとSDGsの両立を実現
下谷

日本企業では、具体的にどのような会社さんがソーシャルマッチに興味を持たれることが多いのでしょうか?

原畑

中小企業様や中堅企業様にご興味を持って頂くことが多いです。

それらの企業の代表の方が「SDGsに取り組みたい」「何か社会に役立つ仕事をしたい」という想いを持っていて、そこからご一緒させて頂く事が多いですね。

下谷

なるほど。

お相手の企業の方は「こういう社会問題を解決したい」と明確に持っていらっしゃる方が多いのでしょうか?それとも漠然と「社会に貢献できることをしたい」という方が多いのでしょうか?

原畑

SDGsに取り組みたいが、会社として何ができるのか分からない」という所からご相談頂く事が多いです。

「こういった社会問題に取り組みたい」という企業様もいらっしゃるのですが、多くは「社会のためにできることとして、自社で何ができるのか」という所からスタートします。そこから、弊社から東南アジアで起きている課題についてお伝えし、「こういったことができるのではないか」というアイデア出しを行わさせて頂いております。

ソーシャルスタディ:大学生向けSDGsインターンシップ教育事業

ソーシャルスタディにて学生と現地でインターンシップを行う様子
下谷

ありがとうございます。では次に、「ソーシャルスタディ」の事業内容についてお伺いさせて頂けますか?

原畑

こちらは、東南アジアの社会起業家様の方が抱える課題に対して、学生さんがアクションを起こすインターンシップとなっております。

これまで5ヶ国で700名の学生さんにSDGsインターンシップを届けており、「実際に現地に渡航して社会問題解決に取り組むインターンシップ」と「日本でオンラインで取り組むインターンシップ」の2種類があります。

SDGsインターン|ソーシャルスタデ...
夏休みSDGsインターンシップ|ソーシャルスタディ - SDGsインターン|ソーシャルスタディ 募集中の夏休みSDGsインターン 先着順でキャンセル枠募集中!教育×チャリティ🏫チャリティアイ
下谷

フェアトレードコーヒーの販売戦略提案やエシカルブランドへの商品提案など、とても魅力的でワクワクするような内容が多いですね!

ソーシャルスタディに参加される学生の方は、どのような方が多いのでしょうか?

原畑

漠然と「何かSDGsに取り組みたい」「社会に貢献できることをしてみたい」という方や、カンボジア渡航型インターンシップでは「カンボジアに行ってみたい」「国際協力を仕事にしてみたい」という方も多くいらっしゃいます。

学生時代の社会問題解決活動を事業化して仕事にした原畑さん

下谷

ここからは原畑さんの経歴や想いについてお伺いさせて頂ければと思います。原畑さんは学生時代から、国際協力や社会貢献できる仕事に興味を持たれていたのでしょうか?

原畑

私が社会問題解決に興味を持ったのは、大学生の夏休みに東南アジア・カンボジアに一人旅に行った事がきっかけです。そこで、人と人の強い繋がりや、古くなってしまったものも修理して再利用している方々を見て、人間としての力強さに魅力を感じました。

そんな東南アジアの社会が羨ましくて、この中に入って学ばせてもらいたいと思いました。

原畑さんは学生時代にカンボジアを訪れた際に、人間としての力強さに魅力を感じたそう
原畑

そしてカンボジア在住の方にご紹介いただき、足が不自由で車いすで生活されている、サミスさんという方と出会いました。サミスさんは障がいを持った方の生活向上にとても強い熱量を持った方で、私はとても感銘を受けました。

原畑

そんなサミスさんが研修で日本に来ることがあり、その際にサミスさんが「日本は障がいを抱えた人も住みやすい、天国みたいな場所だ」と仰られていました。

その後、サミスさんは「カンボジアも日本みたいに障がい者でも住みやすい国にしたい」と思い、カンボジア国内で障がい者支援活動を始めたのですが、周りから「それはカンボジアではできない」「先進国だからできたことだ」という批判を受けたとのことでした。

原畑

しかし、サミスさんは周りの批判に屈することなく、カンボジアで障がいを抱えた人のためにNGOを立ち上げ活動を行っていました。

私はそんな姿を見て、『どれだけ周りから「できない」「エラーだ」と言われても自分たちで未来を切り開いて行く人達に価値を届けたい』と思いました。そこで、任意団体としてExcelでエラー(#value!)を意味する「任意団体value」をスタートしました。

任意団体valueで活動を行っている際の様子
下谷

なるほど、社会課題解決に強い想いを持っているサミスさんの姿を見て、原畑さんの活動が始まったのですね。任意団体valueでは、どのようなことをされていたのでしょうか?

原畑

任意団体valeでは、サミスさんのような社会問題を解決しようとする社会起業家の方を知ってもらうため、社会起業家の方の想いを伝えるインタビューメディアを立ち上げたり、社会起業家の方の活動を知るイベントを開催したりしていました。

原畑

その後、valueの事業を元に起業し、社名を会社の事業内容が伝わりやすい「ソーシャルマッチ株式会社」に変更致しました。

下谷

大学生の頃から熱心に社会に役立つ事をされていらしたんですね。

今のお話や、NHKさんのインタビュー動画を見ても、原畑さんは社会問題解決に強い情熱があるんだと、ひしひしと感じられます。原畑さんの社会課題解決の仕事に対する原動力はどこから来ているのでしょうか?

NHK WORLD
Matchmaking Social Entrepreneurs: Cambodia - Sharing the Future | NHK WORLD-JAPAN As it undergoes rapid economic growth, Cambodia is facing issues such as rising inequality and child labor. Social entrepreneurs are working to tackle these cha...
原畑

そうですね、今日もカンボジアに滞在しているのですが、滞在しているホテルの近くにはゴミが溜まっている場所があります。そこでは、子供たちがゴミを漁って食べ物を探しています。そういった光景を目の当たりにする度に、「まだ社会問題を解決できていない」ということを感じます。

私は恵まれた環境に生まれて、恵まれた生活をしているので、社会のためにできることを行うのは義務だと感じます。

カンボジアの女性地位向上を行うパンナリー氏との活動の様子
原畑

また、社会起業家さんと話すたびに、人生をかけて社会問題を解決しようとしている方々が本当にかっこいいと感じていて、そういった方々の力になりたいと強く感じます。

社会貢献する事業という、事業運営が非常に難しい中で、自分の身を削ってまで働いているため、そういった方々が報われる社会を作りたいと思っています。

サミスさんは現在カンボジアにて車いすの方を雇用して、お菓子やドライフルーツ生産事業を行っている

社会問題を解決する仕事に転職する際に考えておくべき4つのこと

下谷

ありがとうございます。ここまで、原畑さんがなぜ社会に貢献できる仕事をしようと思ったのか、そして現在どのような社会の役に立つ仕事をされているのかを伺いました。

ここからは、新卒ではアリババジャパン様に就職、その後カンボジアで人材事業に転職された後、ソーシャルマッチ株式会社を起業された原畑さんから、社会問題を解決する仕事に転職するために必要なものや考え、社会貢献性の高い仕事の良さなどについて伺いたいと思います。

①:社会問題を解決する仕事の魅力や、仕事のやりがいについて

下谷

ではまず、社会問題を解決する仕事の良さや、仕事のやりがいについて教えて頂けますか?

原畑

そうですね、私の場合は『自分の仕事によって社会問題の解決に近づいていると感じられた時』に、一番やりがいを感じます。

原畑

カンボジアでは子供がゴミを漁っていたり、障がい者の人が道で物乞いをしていたりと、悲しい現状をまざまざと目の当たりにしています。

しかし、私がこの仕事を行う中で、障がい者の方の雇用存続に貢献できたり、カンボジアのIT企業での雇用を生み出すことができたりすることで、一歩一歩社会問題解決に繋がっていると実感するたび、この仕事がとても意義のある仕事だと感じます

また、学生さんが「人生が変わった」と仰ってくれたり、現地の方から感謝の言葉を頂いたりした際に、非常にやりがいを感じますね。

下谷

やはり、現地の人と直接向きあったり、感謝の声を聞いたりすることで「仕事をやっていて良かったな」「意義のある仕事だな」と感じられるんですね。

原畑

そうですね、直接感謝の声を伺えるというのは、大きなやりがいだと思います。

②:過去に社会問題を解決する仕事を行ったことがなくても転職可能か?

下谷

次に、社会問題を解決する仕事に転職したいという方からよく「過去に社会問題解決を仕事として行った事がないが大丈夫か?」という質問を伺います。この点に関してはいかがでしょうか?

原畑

弊社の場合は、特に社会問題解決を仕事として行った事がなくても大丈夫です。プライベートや学生時代に社会貢献活動を行ってきた後一般企業に就職し、ソーシャルマッチにジョインしたメンバーもいます。

原畑

むしろ、民間企業の経験って私たちの場合はすごく求めるものではあります。

ビジネスの視点として会社を成長させながらソーシャルインパクトを出していくという両軸が、ソーシャルビジネスには必要不可欠のため、民間企業でのビジネスの経験があるというのは、非常に強みになると思います。

③:社会問題を解決する仕事に転職したい方に持っていて欲しいものは?

下谷

続いて3つ目の質問です。原畑さんが思う、社会問題を解決する仕事に転職したいと考えている方に持っていて欲しいもの(スキルや想いなど)は何かございますでしょうか?

原畑

そうですね、まず前提として「社会問題解決に本気で取り組みたい」という想いは必ず必要だと思います。

社会課題解決のための道のりには、つらく厳しい事がたくさんあります。そのため、「社会問題を本気で解決するぞ!」という熱い熱量がないと、この仕事を長く続けることは難しいと思います。受け身でなく主体的に業務に取り組む姿勢が求められますね。

原畑

また、弊社に関しては海外での事業展開を行っているため、そういった事業に興味のある方は英語が話せると良いと思います。あとは各ポジションによると思いますね。

④:転職先の会社の選び方、NPO・NGOと民間企業のどちらを選ぶべきか?

下谷

こちらが最後の質問になります。社会問題を解決する仕事は世の中に多数あると思いますが、そういった中で自分にあった転職先はどのように選べば良いでしょうか?

原畑

自分自身の想いとマッチする理念を掲げている会社さんを選ぶ事が大切です。

ソーシャルビジネスは一般企業と比べて特に「理念に合う仲間と、理念に合う仕事をしているか」が仕事上のモチベーションになります。そのため、自分自身の価値観と合った会社さんを選ぶ事が重要だと思います。

下谷

なるほど、確かに自分が目指す未来のためなら、厳しい事も乗り越えられますよね。

転職先として社会問題を解決する仕事を選ぶ際に、NPO・NGOなどの非営利組織を選ぶべきか、ビジネスとして社会問題解決を行っている民間企業を選ぶべきか、どう判断すればよいでしょうか?

原畑

まずNPOさんは、寄付や助成金が財源となっていることが多いです。そのため、「売上のことよりも現場を良くすることを考えたい」「利益や売上よりも、目の前の事を現場でサポートしたい」という方は、NPOやNGOが向いていると思います。

逆に、「ビジネスと社会問題解決の両軸で走りたい」「事業に投資を行う事で大きな規模で社会問題を解決したい」という方は、民間企業のソーシャルビジネスが向いていると思います。

原畑

ただし、NPO・NGOさんでも自分たちで売上を立てている所もありますので、一概にこうとは言えないです。「NPOか民間か」という考えよりはどこからお金をもらって、誰をステークホルダーとして活動していきたいのかということが一つの基準になるかと思います。

どちらも社会に役立つ仕事ですので、ご自身の価値観に近い方を選ばれると良いと思います。

ソーシャルマッチではさらなる社会問題の解決に向けてコアメンバーを募集中!

下谷

ありがとうございます。最後に、ここまでお話をお伺いさせて頂いたソーシャルマッチ株式会社さんが、一緒に働いてくれるメンバーを募集されています。

原畑

はい、弊社では世界中の社会問題解決に取り組む企業をビジネスマッチングする事業「ソーシャルマッチ」と、SDGsのインターンシップ教育事業「ソーシャルスタディ」を行っております。現在、さらなる社会問題の解決に向けて、中途採用でのコアメンバーを募集しております。

原畑

弊社での仕事は、裁量権のある仕事ばかりなので、どんどん成長したいという方にはおすすめです。特に現在募集している、途上国でのSDGsインターンシップ運営では、新しい国での開催に向けて企画立案から現地の起業家さんとのコミュニケーションなどをすべて行って頂くため、とてもやりがいのある仕事だと思います。

下谷

ソーシャルマッチさんで働く場合、途上国の現地で働くことが多いでしょうか?

原畑

ポジションにもよりますね。SDGsインターンシップの現場運営のお仕事では、年間4ヵ月間現地に行って頂く長期出張がございます。日本にいる際には、東京でのオフィス勤務となります。

下谷

ソーシャルマッチさんの会社で求める人物像はありますでしょうか?

原畑

弊社では海外の方とやり取りをするので、英語力があると望ましいです。また、弊社はベンチャー企業なので、成長意欲が高く主体的に事業に取り組める方を求めております。

下谷

英語力があり、かつ主体性の高い方ですね。

最後に代表の原畑さんより、ソーシャルマッチさんに興味を持たれている方へメッセージをお願い致します。

原畑

まだ世界にはたくさんの社会問題があって、私自身すごく焦っています。本当にみなさまの力があれば、多くの社会問題を、はやく解決できると信じています。

弊社はこれから大きくなっていくフェーズなので、ぜひ皆様と一緒にチームとなって社会問題解決に取り組んでいきたいと思っております。ぜひみなさまのエントリーをお待ちしております。

下谷

ありがとうございます。

社会問題を解決する仕事に転職したいと考えている人の中で、ソーシャルマッチさんにご興味を持った方は、以下のリンクから募集職種をご覧頂ければと思います。本日はインタビューをお受け頂き、ありがとうございました!

採用情報|ソーシャルマッチ株式会...
採用活動において大事にしていること - 採用情報|ソーシャルマッチ株式会社 ソーシャルマッチは採用活動において以下二点を大事にしており、より良い形で実現できるように常に採用活動を改善し続

まとめ:民間企業から社会問題を解決する仕事に転職することは可能!

今回は、ソーシャルマッチ株式会社代表の原畑さんに、社会問題を解決する仕事に転職する際に必要なもの、社会貢献性の高い仕事の魅力、転職先の選び方についてお伺いしました。

結論としては、民間企業からソーシャルビジネス・非営利組織への転職は可能で、民間企業でのビジネスの経験は社会に貢献できる仕事を行う上で非常に求められる、とのことでした。今の仕事を自分が行う意義が分からない、社会の役に立つ仕事がしたいと考えている方は、「自分に社会問題を解決する仕事ができるんだろうか?」と考え込まず、まずは社会貢献度の高い業界で自分の価値観に合った企業を探してみてはいかがでしょうか?

ソーシャルエッグでは、こうした社会課題に関する疑問を専門家の方にインタビューを行ったり、社会問題に関する知識を纏めた記事を公開しています。他にも様々な記事がございますので、ぜひそちらも読んでみて下さいね!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

コメント

コメントする

目次