今回は国際協力に関する活動に取り組む水谷さんにインタビューを行いました。
- 『国際協力といっても具体的に何をするの?』
- 『興味はあるけど何から取り組めばいいのかわからない』
- 『周りに誰もやりたいって思っている人がいなくてやる自信がない』
といった方に是非読んでいただきたいインタビューになっています!
プロフィール
【名前】
水谷 成美
【年齢】
19歳(2023年3月現在)
【携わっている事業内容】
学生向け海外スタディツアー
現在の活動
現在行っている活動を教えてください。
現在は主に学生向けの海外『スタディツアー』の運営をしています。
『国際協力』を仕事にしたいという学生さんは増えてきているのですが、国際協力の実態を知る機会は中々ないと思うので、実際に国際協力を職業にしている人にインタビューしたり、国際協力の現場を見たり、といったことが体験できるスタディツアーを企画しています。
※スタディツアーとは、観光目的のツアーではなく数日間や1週間程度国際協力の現場に赴き、現地での体験を通じて国際協力の現場を見学するようなツアーを指します。
学生の頃からこういった現場に触れる機会があると、進路選択を真剣に考えるきっかけにもなりそうですね。
そうですね、自分の中にある邪魔な当たり前とかあったりすると思うんですけど、普段見ることのない世界に触れることで、当たり前を壊していけたらと。
邪魔な当たり前ですか?
はい、「こうしなきゃいけない」とか「これがあるから自分はこれができない」とか、そういった自然に形成される『価値観』です。
学生がこのツアーを通して、 出会った人の様々な価値観に触れることで 自分の自己実現を妨げる当たり前を壊していき、どんどん未来を切り拓くことができるようになればいいなと思っています。
国際協力に関心を持つようになったのは小学校4年生のとき
それでは、水谷さんが社会問題の解決を志すようになった一番最初のきっかけなどはありますか?これまで活動を続けてこられた『原動力』のようなものとか…。
そうですね…。小学4年の頃でしょうか。『ESDこども会議』というものに参加した時の出来事が印象に残っていますね。
小学生・中学生を対象とし、様々な「持続可能な社会づくり」に向けての取り組みについてのワークショップや講演などが数日間にわたって行われていました。
※ESDこども会議というのは、2014年に「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」が名古屋国際会議場で開催されたのにあわせて、愛知県内の子どもたち向けに実施されたプログラムです。
当時の私は、学校に行くことや勉強することがそんなに好きじゃなくて、その上学校に行けるのは当たり前という風に思っていたんです。
しかし、このプログラムの中の、青年海外協力隊としてウガンダに派遣された方の講演を聞く中で、「子どもが学校に行けるのが、当たり前ではない国がある」という事実を初めて知って衝撃を受けました。
私が行きたくもないと思っていた「学校」に行ける日を夢見て、社会に出て働いている子どもたちがいるというのが、なんというかびっくりしました。
すごいと思います…。
この出来事がずっと心の中に引っかかって、後々の行動に影響を与えているのかもしれませんね。
はい。他にも色んな分野のお話があったのですが、正直もうウガンダに派遣された方のお話しか覚えていないくらい、記憶に深く刻まれていますね(笑)。
それは相当ですね(笑)。
小学生の頃からここまで社会問題を意識していたとはびっくりです。
そうですね。ある程度やりたいことが決まっていたからこそ、今まで色々な選択を迷わずできていたのかもしれません。
国際協力の活動に取り組み始めたきっかけは、国際協力のオンラインイベント
現在の活動を始めようと思ったきっかけを教えてください。
高校2年生のときの地元のNPO団体でのボランティア活動です。
当時から国際協力に関心はあったのですが、口だけで何も前に進んでいない感覚があって、何か外に出てやってみようと思い、NPO団体が主催するオンラインイベントに参加しました。
そのオンラインイベントで『ボランティア活動』の募集があり、そこに飛び込むように参加してみたらNPOの経営の難しい部分が見えてきて、新しい視点を得ることができました。
NPOの経営の難しい部分というのは、具体的にどういった部分なんですか?
それは、お客さんからお金を受け取ることができないことだと私は思います。
価値を届ける対象 (=受益者) と、お金を受け取る対象 (=寄付者) がそれぞれ別で存在しているので、より経営が難しいと思いますね。
そうなんですね。たしかに言われてみればそうでした…。
話を戻しまして、行動してからはじめて見えることもあるんですね。
そうですね。行動する前にずっと考え続ける人も多いのではないかなと思うんですが行動する前って情報を何も持ってなくて、それで考えていても見えてくるものは 少ないなと経験から思います。
とりあえず何か動いてみて、そこから考えてみるっていう視点もやっぱり大事だなと思いますね。
とはいえ、「行動が大事」というのは頭で分かっていても、自分に必要な経験が(他の人を巻き込むなど)大規模であればあるほど行動を起こすのに勇気がいると思うんです。
リスクが見えてしまってなかなか行動を起こすのが難しい状況に置かれている人もいると思うんですが、失敗されるのが許される年齢の内に色々なことに挑戦しなさいいう先輩の言葉を、私はよく自分に言い聞かせています。
現在の活動はTwitterでのつながりから始まった
このツアーの活動を始めたきっかけはなんですか?
このツアー企画に関わったきっかけは『SNS』でした。
大学受験が終わってから時間を持て余していて何か学びたいと思っていたので、元々興味のあったNPOに関するTwitterアカウントを片っ端からフォローしてました。
その際、今一緒にツアーを運営しているメンバーからメッセージをもらい、そこから今の活動に繋がります。
結構、運命的な出会いというか、意外にもSNSでの繋がりがきっかけだったんですね。
活動するうえで気を付けたいことは、熱意だけで活動しないこと
水谷さん自身の『理念』はありますか?
私が大切だと思っているのは熱意だけで活動しないことです。
な、なるほど。どういう意味ですか?
社会問題に対して熱意を持っていてそれで行動するということは案外できたりするんですが、そこから知識不足や経験不足で解決とは逆効果になってしまう活動があったりするんです。
発展途上国の小さい子どもたちを助けたくて粉ミルクを現地に送ったけれど、現地の人が汚れた水を使ってしまい被害が出たというような現地に即した支援ができないこともあります。他にも、NPOとして寄付を集めたけれど経営がうまくいかず、寄付金をうまく使えずに終わることもあったりします。熱意だけではどうにもならないことがあると思いますね。
自分は現地の人たちを助けたつもりが逆にその人たちを苦しめることになるというのは、なんとも恐ろしいことですね。
はい。自分がやろうと思ってることをやり抜ける技術、知識を身につけることは大事にしたいと思ってます。
何か活動する中で、必要だなぁと思う能力や考え方はありますか?
そうですね…。自分が知らないことは知らないと認めて『謙虚』になって、貪欲に学びを取りに行く姿勢は大事だと思います。
NPOとか国際協力の現場は普段私たちが生活する環境とは全く異なっていて、想像もつかない複雑な環境であることがほとんどです。理解しなきゃいけないこと、時代に合わせなきゃいけないことがたくさんあります。なので、知識を常にアップデートしていかないといけないんですけど、知った気になっていると情報の変化についていけなくなってしまうと感じます。
なので、柔軟性を持って学ぶ姿勢が大事だと思います。
知って満足しないその心意気は忘れないようにしたいですね。
社会課題の解決に取り組みたいと考えている人に伝えたいこと
最後に社会課題の解決に取り組みたいと考えている人への『メッセージ』をいただけたらと思います。
そうですね…そんなに アドバイスとか大それたことは言えないんですけど (笑)。
諦めないで一緒に頑張りましょうという感じです。
社会問題の解決への道のりってすごく険しくて、自分は何のために活動しているのか疑問に思うことが誰しもあると思うんです。しかも、『国際協力』や『社会問題解決』はそれに携わる人口がそれなりに多くないと進んでいかないことだと思います。なので、手を取り合ってお互い吸収して共に行動してっていうのはすごく大事だと思います。
なるほど、人とは競争するより協力する方が社会問題への解決に繋がりますね。
お忙しい中、インタビューを引き受けてくださりありがとうございました。
こちらこそありがとうございました!
まとめ:自身の推測を過信せず、学びを取りに行く姿勢が大事!
国際協力に関する活動に取り組む水谷さんにインタビューをしましたが、いかがでしたか?
行動が少ないかも、と思った方はぜひ今回の記事を参考にいろんなことに挑戦してみてください!
以下、記事のまとめです。
- 水谷成美さんは現在、学生向けスタディツアーを運営
- ツアーの活動のきっかけは、オンラインイベント
- 活動する原動力は小学校のJICAの人のお話
- 熱意だけでなく、現場への深い理解も大事!
- 貪欲に学ぶ姿勢を忘れないように
- 諦めないで手を取り合って活動したい!
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