SDGs目標2「飢餓をゼロに」を徹底解説!企業の取り組みや私たちにできることも紹介

今回は17あるSDGsの項目の2つ目である、「飢餓をゼロに」について解説していきます。世界には今なお、食料がなく飢えて苦しんでいる人が存在しています。今回の記事では、飢餓の現状や飢餓が起きる原因、そもそもなぜ飢餓がなくならないのかなどを解説し、飢餓をゼロにするために政府や企業が行っている取り組み内容も詳しく解説していきます。

目次

SDGsとは?17の目標から成る、持続可能な社会を目指すための行動計画

SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称で、国際連合が2015年に採択した国際的な取り組みです。SDGsは、世界をより持続可能な社会にするための2030年までの行動計画であり、経済、社会、環境の側面にわたるさまざまな課題に対処するために作られました。

SDGsには『17の目標』『169のターゲット』『232の指標』が定められています。主なテーマとしては、貧困削減、飢餓撲滅、健康増進、教育の普及、ジェンダー平等、クリーンエネルギーへの移行、気候変動対策、平和と正義の推進などが定められています。

今回解説する「飢餓をゼロに」は、SDGs2つ目の目標です。

飢餓をゼロにとは?SDGsにおける飢餓問題について解説

SDGs2「飢餓をゼロに」を纏めたイラスト

ここからはSDGs2の目標である「飢餓をゼロに」について、その意味や8つのターゲット、SDGsに「飢餓をゼロに」の項目が存在する理由などを解説していきます。

飢餓をゼロにとは?

「飢餓をゼロに」とは、SDGs2つ目の目標です。ここでは「飢餓を終わらせ、食料安全保障および栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」ことをゴールとしています。「飢餓をゼロに」の要点を簡単に纏めると、以下の4つになります。

  1. 飢餓の人口を完全にゼロにする
  2. 安定的に食糧を得られる環境を作る
  3. 人々の栄養状態を改善する
  4. 持続可能な農業を推進する

食料は、生きるために何よりも必要なものです。人々が飢えている状態では、教育や自然保護などを行っている余裕はありません。様々な社会問題を解決するため、まずは飢餓をゼロにし人々の栄養状態を改善する必要があります。

そのためには、洪水や地震などが起きても安定的に食糧を得られる仕組み作りが必要です。また、農家が低賃金重労働で働いていたり、環境を破壊するような農法を行っていては、いつか食糧が途絶えてしまいます。そのため、持続可能な農業を推進する必要があります。

これらすべての課題を包括して、SDGs2つ目の目標「飢餓をゼロに」が成り立っています。

飢餓をゼロにの8つのターゲット

「SDGsとは?」の項目で説明した通り、SDGsの各目標にはそれを達成するための複数のターゲットが設定されています。「飢餓をゼロに」の項目には、以下の8つのターゲットが設定されています。「1.1」「1.2」などの算用数字のターゲットは飢餓をなくすための定量的な目標を示していて、「1.a」「1.b」などの英数字のターゲットはこの目標を解決するための手段を示しています。

2.12030年までに、飢餓を撲滅し、すべての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
2.25歳未満の子どもの発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
2.32030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
2.42030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
2.52020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
2.a開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
2.bドーハ開発ラウンドの決議に従い、すべての形態の農産物輸出補助金及び同等の効果を持つすべての輸出措置の並行的撤廃などを通じて、世界の農産物市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
2.c食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。
農林水産省 SDGsの目標とターゲット

SDGsでは、これら8つのターゲットが達成されることで、SDGs2つ目の目標である「飢餓をゼロに」が解決されるとしています。

なぜ持続可能な社会を作るため「飢餓をゼロに」の達成が必要なのか?

SDGsには全部で17つの目標がありますが、「飢餓をゼロに」がなぜ必要とされているのでしょうか?それは、食料は生きるための必需品であるにも関わらず、飢餓人口は一向に減っていないからです。(下記のグラフを参照)

FAO 世界の飢餓人口の推移

SDGsが採択される前の2005年時点で、世界の飢餓人口は約8億人でした。そこから国連やユニセフの取り組みなどで一時的に飢餓人口は減少しましたが、各地で紛争や災害が起きるたびに飢餓人口が増加してきました。2022年には、世界で6億9100万人~7億8300万人が飢餓に直面しています。そのため、SDGs2の目標達成度はまだまだと言えます。

身体が飢えている状態では、日々の生活で食料確保のための行動しかできず、貧困から抜け出すための教育・勉強をする余裕も生まれません。様々な社会問題を解決するためには、まずは食糧問題を解決し飢餓人口をなくす必要があるため、SDGsの中に「飢餓をゼロに」の項目が入っています。

飢餓とは?飢餓の定義や、飢餓の種類について解説

では、そもそも飢餓とはどういう状態のことを指すのでしょうか?ただお腹が減っているだけの状態は「飢餓」ではなく、痩せているだけでも「飢餓」であるとは限りません。ここからは、飢餓の定義や飢餓の種類について解説していきます。

飢餓の定義

国連食糧農業機関(FAO)は、飢餓を以下のように定義しています。

Hunger is an uncomfortable or painful physical sensation caused by insufficient consumption of dietary energy. For decades, FAO has used the Prevalence of Undernourishment indicator to estimate the extent of hunger in the world, thus “hunger” may also be referred to as undernourishment.

飢餓とは、エネルギー不足によって不快感や苦痛が引き起こされる状態のこと。FAOは何十年もの間、世界の飢餓の程度を推定するために「栄養不足蔓延率(Prevalence of Undernourishment / PoU)」という指標を用いてきた。

FAO Hunger and food insecurity

人間が生きるために最低限必要なカロリー数は、性別や体重・代謝・外気温などによって異なります。そのため、BMIやBMR、PALといった指標で、その人が飢餓かどうかを一概に測ることはできません。こちらの写真の男の子は、ぷっくらとお腹が膨らんでいて、体重は通常の子どもより重いです。

AFP通信 飢餓で膨れるお腹

しかし、これはタンパク質の摂取不足によるクワシオルコルという症状で、このままでは餓死を迎えてしまいます。このように、見た目や体重といった要素によって、対象者が飢餓かどうかを定義することは非常に難しいです。

そのため、FAOの「エネルギー不足によって不快感や苦痛が引き起こされる状態のこと」という定義はとても直感的かつ芯を得た定義だと思います。空腹で胃が痛くなったり、めまいが起きたり、気を失ったり、、、食べ物を食べられていない事でこうした現象が発生している場合は、間違いなく飢餓と呼べます。

突発的な飢餓と慢性的な飢餓とは?

飢餓には「突発的な飢餓」と「慢性的な飢餓」の2種類があるのをご存じでしょうか?

突発的な飢餓は「飢饉」とも言われ、災害や紛争・干ばつなどによって発生します。紛争によって急に難民が押し寄せてきたり、山火事や洪水・蝗害などで作物が消失してしまったりすることで、突発的な飢餓が発生します。一時的に多くの人が飢餓状態になるため、ニュースなどで良く見る食料問題はこの突発的な飢餓だと思います。

一方、慢性的な飢餓とは、継続的(数年単位)で飢餓状態にあることを指します。例えば、1日1食で働かされていたり、土地が痩せていて何年も食糧が満足にとれなかったりするような事例を指します。何年も栄養不足状態だと感染症に患いやすくなり、栄養不足で病死になるケースも多く発生しています。世界の飢餓人口の多くがこの慢性的な飢餓ですが、「飢餓が直接的な死因になっていないこと」「常日頃から飢餓状態が当たり前になっていること」から、世間からの注目を集めにくい状態です。

飢餓者が多い国ほど、肥満者が多い理由

今世界には「10億人以上の肥満者」と「約7億3500万人の飢餓者」が存在しています。これらの飢餓者・肥満者は、サブサハラアフリカ・南アジア地域に集中しています。なぜ飢餓者が多い国で、肥満者も多くなっているのでしょうか?

1つ目の理由は、これらの国では食糧が安定的に手に入らないためです。いつ食べ物を食べられるか分からない状態では、食べられる時にたくさん食べておこうという気持ちになります。そのため、一度に大量に食べる習慣が根付いてしまい、結果肥満者が増えてしまいます。

2つ目の理由は、安価に購入できる高カロリーな食材ばかりを食べるためです。飢餓者が多い貧困の国では、肉や野菜・穀物などをバランスよく購入し食べることは難しいです。なるべく安い金額で満腹になるように、砂糖や脂肪分が多い食材を選びがちになってしまいます。そのため、栄養バランスが偏り、肥満者が増えてしまいます。

3つ目の理由は、栄養不足の妊婦や幼児が多いためです。生まれた時に低体重だったり、幼児期に栄養失調だった子ども達は、大人になって高カロリーな食材を多く摂取した際に、肥満になりやすいとされています。これは医学的に指摘されていて、WHOは子どもが胎内に宿ってからの1000日間に、発育阻害と肥満を防ぐ取り組みを行うべきだと発信しています。

世界の飢餓の現状は?飢餓の現状と日本で発生している飢餓について

ここまで、飢餓とはどういう状態を指すのか、飢餓の定義を解説してきました。では、そんな飢餓状態にある人は、世界の何人に1人いるのでしょうか?また、飢餓で食べ物を求めている人は、どこにいるのでしょうか?

ここからは、飢餓の世界の現状と、日本で起きている飢餓について解説していきます。

世界の飢餓の人数は、2022年時点で約7億人

FAOの資料では、2022年時点で世界で6億9100万人~7億8300万人(中間値:7億3500万人)が飢餓に直面すると推定しています。世界の何人に1人が飢餓かをよく聞かれますが、これは全世界の約9.2%(約11人に1人)が飢餓であるという状態です。世界の食料問題の現状は、想像以上に深刻です。

世界の飢餓人口は2005年から一貫して減少傾向でしたが、2019年を境に一転して増加の道筋を辿っています。近年飢餓が増加した主な原因は、「COVID-19の流行」と「ウクライナ戦争による食糧品・エネルギーの価格上昇」とされています。

世界で飢餓人口が多い地域は、南アジアとサブサハラアフリカ

世界の地域別栄養不足蔓延率(%)

上のイラストは、世界の地域別栄養不足蔓延率を色分けしたハンガーマップで、色が濃い地域ほど栄養不良率が高い地域となっています。世界の約7億3500万人の飢餓人口の内、約3億1360万人が南アジアに、約2億6200万人がサブサハラアフリカ(サハラ砂漠以南のアフリカ)に住んでいます。

南アジアでは、特にインドに飢餓人口が集中しています。インドは国土の6割が農地で食料自給率が100%以上あるにも関わらず、約2億人以上の人が飢餓状態にあり、子どもの約40%が栄養失調となっています。2015年のデータでは、世界の発育不全児童の1/3がインドの子どもでした。なぜインドではこのようなことが起きているのでしょうか?

インドに飢餓が蔓延している1つ目の理由は、貧困です。インドの人口の20%以上が1日1.25ドル以下で生活しているため、多くの人が栄養価の高い食べ物を十分に得ることができません。2つ目の理由は、インフラの未整備です。インドでは、野菜や果物の30%が冷蔵施設がないために消費期限切れとなっていて、生産される食料の約40%が浪費されています。また、インドは交通インフラが整っておらず、農村部から市場へ食料を運搬する間に、食料が腐敗していってしまいます。そのため、豊富な食糧がありながら、人々が飢餓に陥っています。(Stuffed Granaries and Empty Stomachs: Hunger in India

サブサハラアフリカでは、紛争や干ばつ、急激な人口増加によって飢餓が発生しています。特にアフリカの紛争地帯では、農地が荒らされ農民が難民になることで、食糧生産量が大幅に低下し飢餓が発生しています。

日本における飢餓の現状

日本でも少数ながら、飢餓や栄養不足による死亡者は発生しています。2020年のデータでは、日本で年間23人が食糧不足によって亡くなっています

年齢2020年の日本での食糧不足による死亡者数
0歳 ~ 14歳0人
15歳 ~ 44歳1人
45歳 ~ 64歳10人
65歳 ~ 79歳7人
80歳以上4人
人口動態調査 下巻_9_交通事故以外の不慮の事故(W00-X59)死亡数、年齢(特定階級)・発生場所・外因(三桁基本分類)別

日本人は痩せ型の人が多く、上記で紹介したPoUの指標で計算してしまうと、一般的な食事量の方でも飢餓に該当してしまいます。そのため、PoUやハンガーマップを見て、日本の現状は食糧危機だと認識するのは誤りです。日本で餓死が発生する場合は、病気によって身体を動かせなかったり、極度の貧困状態にもかかわらず生活保護を受給していないなど、イレギュラーなケースが多いです。日本の現状としては、深刻な飢餓までは発生していませんが、栄養不良や栄養失調は一部で発生しています。また、過度なダイエットによる栄養失調の発生も、日本の課題として存在しています。

飢餓はなぜ発生するのか?飢餓が起こる原因8つを解説

ここまで見てきた中で、飢餓者の多い地域のほとんどが発展途上国でした。では、なぜ発展途上国にて飢餓が多く発生するのでしょうか?

ここからは、飢餓が起きる原因6つを解説していきます。

飢餓の原因①:貧困

1つ目の飢餓の原因は、貧困です。貧困だから飢餓が起こるのか、飢餓だから貧困になるのかはどちらが先かは場合によりますが、飢餓と貧困は密接に結びついています。

近年の農業では、作物の種は種苗業者から購入する必要があります。なぜなら、収穫で得られた種をそのまま翌年植えても、収量を少ないためです。多くの収量を生むために、農家は種を種苗業者から購入する必要がありますが、種の金額は決して安くはありません。そのため、貧困から種が買えず、作物の収量が落ち、また貧困になり、次第に食べる物がなくなり飢餓に陥るという事例が多く発生しています。

SDGs2の5番目のターゲットに「遺伝資源およびこれに関連する伝統的な知識へのアクセスおよびその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する」という一文がありますが、ここでは種を農家に広く提供し、飢餓をゼロにしようと提案しています。

飢餓の原因②:インフラの未発達

2つ目の飢餓の原因は、インフラの未発達です。上記のインドの事例では、冷蔵保存施設がないため食糧が腐ってしまったり、道路が整備されておらず食糧の長距離運搬ができないなどの理由で、飢餓が発生していました。これは、インフラの未発達が原因で飢餓が発生している一例です。

また、農作業に必要なインフラが整備されておらず、飢餓が発生している場合もあります。アフリカや中央アジアの砂漠地帯では、水路や用水池などのインフラが整っていないことが原因で、安定的に高い収量を出せる灌漑農業に取り組めないという場合があります。

飢餓の原因③:自然災害

日本赤十字社 パキスタン洪水の被災地の様子

3つ目の飢餓の原因は、自然災害です。近年、地球温暖化の影響で、干ばつや洪水・台風・砂漠化などの自然災害が世界の課題となっています。これらの災害によって、農地や家が破壊された住民は、農業ができない状態になってしまい食糧危機が発生します。直近2~3年間だけでも、以下のような飢餓が自然災害によって発生しています。

  • 2022年8月に発生したパキスタンでの洪水では、3300万人が被災し、270万人が飢餓状態に陥った
  • ソマリアでは2022年に、過去40年間で最長の干ばつが発生し、670万人が飢餓状態に陥った
  • フィリピンでは2021年12月に台風の影響で、23000ヘクタールの農地が破壊され、12750人の農家が被害を受けた

飢餓の原因④:戦争・紛争・内戦

4つ目の飢餓の原因は、戦争や紛争・内戦です。戦争・紛争状態の国では、農地は破壊され、農民は軍事組織に勧誘・拉致され、まともに食糧を生産することができません。イエメンでは7年間に渡り内戦状態が続いていて、730万人の飢餓者が存在しています。第二次世界大戦では、2000万人以上の人々が飢餓や栄養失調により亡くなりました。飢餓をなくそうと現地の人々が努力しても、紛争によってその努力のかいが失われてしまうという事例が多発しています。

また2022年には、世界の30%の小麦輸出量を占めるウクライナとロシアが戦争となり、食糧価格の急騰を引き起こしました。中東・アフリカ諸国は食糧を安価なウクライナ・ロシア産の小麦に頼っていたため、急激な食糧価格の上昇が発生し、食べ物を買えない人々が増えています。

飢餓の原因⑤:食品ロス・フードロス

5つ目の飢餓の原因は、食品ロス・フードロスです。食品ロスとは、まだ食べられるにも関わらず捨てられている食品のことです。収穫から小売りまでの過程で廃棄されるフードロスと、小売りから消費者が食べるまでの過程で廃棄されるフードウェイスト、この両者を合わせて食品ロスと言います。

世界では、生産された食糧の14%がフードロスとなっていて、生産された食糧の17%がフードウェイストとなっています。(FAO・UNEP調べ)つまり、全世界の食糧生産量の約3割(13億トン)が、食べられずに廃棄されているという世界の課題があります。

発展途上国での食品ロスの4割は、非効率的な収穫方法や、未発達の加工技術などによって発生しています。そのため、食品の収穫・加工技術を供与することが、途上国での食品ロス削減に繋がり、飢餓を減らすことに繋がります。

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飢餓の原因⑥:畜産業やバイオ燃料

6つ目の飢餓の原因は、畜産業やバイオ燃料による食糧の消費です。

世界で生産されている穀物の4割は、家畜の飼料用として使われています。とうもろこしは、年間10億5000万トン生産されていますが、その約61%が飼料用として使われています。(2016年時点 農林水産政策研究所調べ

肉1kgの生産に必要な穀物量
牛肉11kg
豚肉6kg
鶏肉4kg
農林水産省 牛肉・豚肉・鶏肉の生産に必要な穀物量

また、近年は穀物を原料とした燃料として、バイオエタノール・バイオディーゼルの生産が増加しています。バイオ燃料の世界最大生産国であるアメリカでは、とうもろこしの36%がバイオエタノールに、大豆の30%がバイオディーゼル燃料の生産に使われました。(2021年時点 日経新聞調べ)バイオ燃料の需要は年々増加しているため、今度も穀物生産の多くがバイオ燃料に使われると予測されています。

飢餓になるとどんな影響が起きるのか?飢餓の影響3つを解説

飢餓や栄養失調は、身体に大きな悪影響を及ぼします。世界では、飢餓が原因で年間310万人の5歳未満の子どもが死亡していて、これは子どもの死者数の約45%を占めています。(ユニセフ調べ

飢餓は、餓死や病気にかかりやすくなるだけではなく、思考力の低下や流産なども引き起こします。また、飢餓によって太りやすい体質になってしまうなど、長期的な問題点も引き起こします。

ここからは、飢餓が引き起こす影響を3つ解説していきます。

飢餓の影響①:出産時の母親の死亡

1つ目の飢餓の影響は、出産時の母親の死亡です。世界では、飢餓状態の母親が約690万人存在し、毎年6万人以上の母親が鉄分不足によって妊娠中・出産時に亡くなっています。(ユニセフ調べ

妊娠中の母親は、胎児に多くの栄養を与える必要がありますが、飢餓状態の母親は食べ物を得ることができません。そのため、母体の脂肪を分解し胎児へと分け与えるため、母親の飢餓がますます進行してまいます。そんな状態で出産に臨んでしまうと、エネルギー不足で出産中に死亡してしまいます。

また、日常的に鉄分を摂取していないと、出産時の出血によって鉄分不足となり、母親が死亡してしまいます。

飢餓の影響②:知的障害や脳障害・発育不全の子どもの増加

2つ目の飢餓の影響は、知的障害や脳障害・発育不全の子どもの増加です。飢餓状態の母体の影響で、年間2000万人以上の子どもが低体重で生まれています。(WFP調べ)低体重で生まれた子供は、幼少期を栄養不良状態のまま過ごす事が多く、学習理解の遅延が認められています。

また、ヨウ素という栄養素が不足すると、知能障害や脳障害を引き起こします。ヨウ素は、海水から取れる塩や海の近くの土壌に含まれているため、アフリカや中東などの乾燥地帯に住む人々を中心に約17億人がヨウ素欠乏症に陥っています。

飢餓の影響③:免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる

3つ目の飢餓の影響は、免疫力が低下し病気にかかりやすくなることです。栄養が不足していると免疫力が低下し、様々な病気や感染症に患いやすくなります。特に発展途上国ではこれらやマラリア・はしかなどの重篤な感染症が多く、予防接種の接種率も低いという問題点があります。そのため、飢餓による免疫力の低下は、死に直結します。

また、身体が栄養不足状態だと、病気からの回復にも時間がかかります。

なぜ飢餓がなくならないのか?飢餓がなくならない理由3つを解説

飢餓が重要な課題だということは、多くの人が認識していて、多くの活動が世界中で行われています。しかしながら、世界では飢餓人口は増加の一途をたどっています。世界中が飢餓を問題だと捉えていながら、なぜ世界では飢餓がなくならないのでしょうか?

ここからは、飢餓がなくならない理由を3つ解説していきます。

飢餓がなくならない理由①:地球温暖化や気候変動

1つ目の飢餓がなくならない理由は、地球温暖化や気候変動です。温暖化による砂漠化や渇水、洪水や台風、作物の栽培地域の変化などの影響で、今までとは同じ方法・同じ地域で作物が取れなくなってきています。

テクノロジーや資金のある先進国では、栽培方法を変えたり品種改良を行ったり、堤防や灌漑技術などによって収穫量を維持することができます。しかし、技術も資金もない途上国では、温暖化による環境の変化に対応することが難しく、作物が取れなくなり飢餓が発生してしまっています。

今後100年で、温暖化はさらに+2℃ほど進むと言われており、気候変動が原因による飢餓の発生はさらに増えると見込まれています。

飢餓がなくならない理由②:先進国で減らない食品ロス・フードロス

2つ目の飢餓がなくならない理由は、先進国で減らない食品ロス・フードロスです。上記で解説した発展途上国の食品ロスは、インフラの整備や技術の提供によって改善する見込みがあります。

しかし、先進国の食品ロスは、料理の食べ残しや賞味期限切れによる廃棄、求められる品質水準が高いことによる規格外の廃棄などが原因となっています。食品ロスは日本の課題でもあり、日本では年間612万トンもの食糧を廃棄しています。これらは人々の意識改革や食品ロスを減らす法改正などでしか、解決が難しい領域です。先進国で余った食品を、飢餓が起きている途上国にうまく分配する仕組みが求められています。

飢餓がなくならない理由③:急激な人口増加

3つ目の飢餓がなくならない理由は、急激な人口増加です。2023年の世界の人口は約80億4500万人で、50年前の2倍以上になっています。今後、2030年には85億人、2050年に97億人、2080年代に104億人となり、そこで人口のピークを迎えるとされています。(国連調べ

世界の人口推移予測グラフ

特に、サブサハラアフリカ地域では今後100年で人口が10億人から40億人まで急増すると推計されているほど、急激な人口の増加が起きています。途上国では、食糧生産が増えてもそれを上回る人口増加が発生しているため、飢餓者が減らなくなっています。

飢餓を解決するにはどうすれば良いか?飢餓の解決方法3つを解説

ここまで、飢餓の原因や飢餓がなくならない理由を解説してきました。では、それらを踏まえて飢餓を無くすためにはどんな事をすれば良いのでしょうか?

ここからは、飢餓の解決方法を3つ解説していきます。

飢餓の解決方法①:持続可能な食糧生産を行う

1つ目の飢餓の解決方法は、持続可能な食糧生産システムです。飢餓の発生原因として、地球温暖化による自然災害がありました。このまま環境を悪化させながら農業を行っていると、どんどんと飢餓が加速してしまいます。そのため、将来的な飢餓を撲滅するためには、持続可能な形式で農業・畜産業・漁業などを行う必要があります。

例えば、農業ではアグロフォレストリーという手法があります。アグロフォレストリーとは、従来からある森林の中で、木々を伐採せず木々の間の土地を活用して行う農業のことです。

BIKAS COFFEEが行うアグロフォレストリーの様子

アグロフォレストリーは以下の理由から、持続可能な農業だと言われています。

  1. 森林を伐採しないため、地域の生物を保護しながら、CO2の排出量を削減できる。
  2. 森林の中の空き地を農地に用いるため、様々な区画で様々な種類の作物を栽培することになる。そのため、単一の作物が不作の時期でも、農家が安定して収入を得ることができる。
  3. 森林を保護することにより、土壌が安定化し、土砂崩れや洪水の被害を防ぐことができる。
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また、モンゴルの遊牧民は家畜がその土地の草を食べ尽くさないよう、環境に配慮しながら遊牧を行っています。家畜の骨や皮・臓器まで有効活用することで、食品ロスはほぼゼロとされていて、こうした持続可能な畜産によって1000年以上の遊牧生活を引き継いでいます。

さらに、海は全世界で繋がっているため、持続可能な漁業を行うために「大西洋まぐろ類保存国際条約」や「国連海洋法条約」などが締結されています。年間の漁獲量を制限し、乱獲を防ぐ事で、持続可能な海洋資源の保護を目指しています。

飢餓の解決方法②:食品ロス・フードロスを削減する

2つ目の飢餓の解決方法は、食品ロス・フードロスを削減することです。いまだ世界の食糧の約30%が食べられることなく廃棄されています。これらの廃棄食糧を削減する事で、食糧需給の最適化につながり、飢餓を減らすことができます。

発展途上国ではフードロスが多いため、インフラの整備や効率的な作物の収穫方法の伝授が、食品ロス削減に繋がります。

先進国では、フードウェイストが多いため、人々の意識改革や法整備が、食品ロス削減に繋がります。フランスでは、スーパーの売れ残った食品をフードバンクへの寄付や堆肥へ活用することを義務付けています。アメリカでは余剰食品を寄付した際に食中毒が起きても、寄付者に罪は発生しないという法律を制定して、余った食料の寄付を促しています。

飢餓の解決方法③:食糧の緊急支援を迅速に行えるようにする

3つ目の飢餓の解決方法は、食糧の緊急支援の実施です。1つ目と2つ目は慢性的な飢餓の解決策でしたが、3つ目のこちらは突発的な飢餓の解決策です。どれだけ慢性的な飢餓を削減するために努力しても、突発的な災害や紛争などで飢餓が発生することは避けられません。そのため、突発的な飢餓が発生した際に、迅速に食糧を支援する仕組みを作ることが大切です。

世界では、WFPやNGOなどが現地で食糧の緊急支援を行っています。いつどこで突発的な飢餓が発生しても迅速に支援ができるよう、食糧の備蓄や流通網の整備などを常に行っておく必要があります。

WFP コンゴ民主共和国での緊急食糧支援

飢餓をゼロにするために行われている取り組み

世界では、2030年までに飢餓をゼロにすることを目指して、様々な取り組みが行われています。また、飢餓を解決するために日本の取り組みも行われています。

ここからは、国や国際機関、非営利組織などが行う、飢餓をゼロにするために今行われている取り組み内容について解説していきます。また、日本企業が飢餓問題に対して取り組んでいることも紹介するので、ぜひ自社での取り組み事例としても参考にしてみてください。

飢餓をゼロにするための、政府や国の取り組み

先進国の国々では、食品ロスを削減するための法律整備によって、無駄な食糧廃棄を減らそうとしています。また、各国政府はODA(政府開発援助)という形で、飢餓をなくすために取り組んでいる組織に資金を提供し、現地で飢餓撲滅活動を展開しています。

日本の取り組みとしては、2023年9月の1ヶ月間で以下のODAを行っています。飢餓問題に対する国の取り組み額としては、日本は世界3位となっています。

交換公文締結日国名案件名金額
2023年9月29日ラオス農村地域における生計の強靱性向上計画(FAO連携)2.1億円
2023年9月27日ベネズエラ食糧援助(WFP連携)3.5億円
2023年9月25日トーゴ食糧援助2.5億円
2023年9月14日モーリタニア食糧援助5.5億円
2023年9月7日カーボベルデ食糧援助1.5億円
2023年9月7日カメルーン食糧援助(WFP連携)2億円
2023年9月7日中央アフリカ食糧援助(WFP連携)2.5億円
2023年9月5日パレスチナ食糧援助(WFP連携)2億円
外務省 令和5年度ODA

飢餓をゼロにするための、国際機関の取り組み

飢餓問題に対しては、WFP(国際連合世界食糧計画)FAO(国際連合食糧農業機関)が中心となって世界の取り組みを行っています。

WFPは全世界2万3000人以上のスタッフが、飢餓問題の現地120カ国で活動を行っています。WFPで今行われている取り組みは以下の通りです。

  • 紛争
    • 緊急食糧支援の実施
    • 紛争を防ぐための、地域問題への仲介
  • 気候変動
    • 気象予測に基づいた、災害前の警告や保険の準備
    • 持続可能な食糧生産の推進
  • 災害
    • 災害時の緊急通信網の整備
    • 災害が発生しやすい地域の監視
  • 不平等・格差
    • フード・フォー・アセットプログラム(生産性の低い土地の修復などに参加してもらう代わりに、現金や食糧を提供するプログラム)の実施
    • 貧困による飢餓を防ぐための現金支給
    • 貧困や飢餓を防ぐための地域セーフティネットの強化
  • 収穫後の食品ロスを減らすため、食品保存方法を伝授

また、WFPは途上国の学校に無償で給食を提供しています。学校に無料で給食を提供することで、多くの子ども達の飢餓を減らせるだけでなく、親も給食のために子供を積極的に学校に行かせるため、進学率の向上に繋がっています。


FAOは国際条約の制定や食糧問題に関する統計調査など、現地での活動ではなく上流の政策立案を担当しています。FAOが行う世界の取り組みは以下の通りです。

  • FAO加盟国(194カ国)による食料・農林水産業に関する国際議論や政策立案
  • 国際条約や食品に関する規約などの策定
  • 食料・農業に関する統計調査の実施
  • 開発途上国への政策助言・技術支援

飢餓をゼロにするための、NGO・NPOの取り組み事例

NPO法人The Hunger Project

The Hunger Projectは「World without hunger」をビジョンに掲げ、1977年にアメリカで設立された、世界の飢餓問題を持続的になくすことに取り組んでいるNPO法人です。

アフリカのガーナでは、飢餓に苦しんでいる人々のほとんどが、田舎の小規模農家です。農業水を雨に依存しているため、気候変動による降雨量減少で作物が取れなくなっていました。そこで現在の取り組みとして、小規模農家に灌漑技術や堆肥の蒔き方・種の植え方などを教えることで、気候変動に強い持続可能な農業技術を提供しています。

The Hunger Project Ghana

The Hunger Projectの資料によると、現在は21カ国に拠点を持ち、約534人のスタッフが現地で活動しているそうです。

The Hunger Project
The Hunger Project: Ending Hunger Starts with People Hunger Project programs throughout Africa, South Asia and Latin America are based on an innovative, holistic approach, which empowers women and men to make sust...

NPO法人Action Against Hunger

Action Against Hungerは「子どもたちの飢餓をなくし、安全な水へのアクセスと飢餓に対する驚くべき解決策を地域社会に提供する。(和訳)」を目的とし、1979年にフランスで設立されたNPO法人です。約9000人のスタッフが世界56カ国で活動していて、2022年には2800万人に飢餓支援を行いました。

Action Against Hungerは飢餓と水をセットで考えていて、食糧だけでなく清潔な水の提供にも力を入れています。水が不足している場所では新しい井戸を掘削し、井戸が汚染されている場合は井戸の浄化を行います。また、緊急的な水不足の際には、地域にトラックで水を運び、貯水タンクや貯水池を設置しています。

Action Against Hunger World Water Day 2022
Action Against Hunger
Action Against Hunger | Ending World Hunger & Malnutrition More than two million children die from hunger each year. Action Against Hunger works in more than 50 countries to save lives and help children grow strong. We ...

飢餓をゼロにするための、日本企業の取り組み事例

アサヒバイオサイクル株式会社

アサヒグループの研究部門であるアサヒバイオサイクル株式会社では、社内で培った技術を飢餓問題解決に提供しています。

1つ目に、カルスポリンという飼料添加物を家畜に与えると、腸内菌が最適化し、少ない飼料で家畜を育てることが可能となります。そこで、カルスポリン入りの飼料を生産することで、家畜用の穀物使用量を削減しています。

2つ目に、ビールの酵母を使った肥料の研究を行っています。ビール酵母細胞壁由来の肥料は、稲の免疫力を高め根の成長を促進するとされていて、現在網走にてビール酵母を使った陸稲の栽培実験を行っています。これにより、稲の収穫量向上を目指しています。

網走でのビール酵母細胞壁由来の肥料を使った陸稲実験の様子
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サステナビリティ | 企業活動 | アサヒバイオサイクル アサヒバイオサイクルのサステナビリティに関する各種取り組みの紹介。

株式会社パン・アキモト:救缶鳥プロジェクト

株式会社パン・アキモトは長期備蓄用のパンの缶詰を生産している会社です。5年間保存しても、焼きたてと変わらない美味しさを味わえる、長期備蓄専用のパンの缶詰を提供しています。

パン・アキモトでは、救缶鳥プロジェクトという食べられなかった災害用備蓄品のパンの缶詰を、飢餓の国々に届けるプロジェクトを実施しています。まず、災害備蓄用のパン・アキモトの缶詰を購入し、企業や学校・家庭などで備蓄します。備蓄から2年半後、パン・アキモトが食べられなかった缶詰を回収しに来てくれます。ここで回収された缶詰は、コンテナで輸送され飢餓に苦しむ人達に送られます。

これにより、災害用備蓄食品の廃棄を減らしながら、突発的な飢餓に対して支援を行うことができる仕組みです。パン・アキモトは飢餓問題に取り組んでいることを環境省に認められ、「第5回グッドライフアワード 環境大臣賞最優秀賞」を受賞しています。

救缶鳥プロジェクトの流れ
株式会社パン・アキモト|パンの缶...
救缶鳥プロジェクト | 株式会社パン・アキモト 株式会社パン・アキモトはパンの缶詰を販売している栃木県那須高原にあるパン屋さんです。

飢餓をゼロにするために私たちにできることは?

ここまで、世界の飢餓問題の現状やなぜ飢餓がなくならないのか、そして政府や非営利組織が行っている飢餓対策の取り組みなどを解説してきました。これだけ多くの活動をしながらも、まだ飢餓をゼロにするには程遠いのが現状です。

飢餓をゼロにするためには、国や法人だけでなく、私たち個人も取り組みを行う事が大事です。ここからは、私たち個人でも飢餓をなくすためにできることとして、以下の5つを紹介します。さらに、飢餓をなくそうと行動するための具体的な取り組みも紹介していきます。

①:食品ロス・フードロスを減らす

まず私たちができることとして、食品ロス・フードロスの削減があります。生産された食料の30%は食品ロスになっていることからも分かる通り、食品ロスの削減は食糧供給の最適化にとても効果があります。食品ロス削減のために、私たちにできることとして、以下の身近な取り組みがあります。

  • 食材を買う時に、棚の前にある消費期限が近い商品から手に取る
  • 肉や野菜を切る際に、不要な部分を過剰にカットしないようにする
  • 自宅で食べ残した料理は、おすそわけをしたり、冷凍して後日食べる
  • 外食先で食べ残した料理は、持ち帰りをして後日食べる
  • 余った食材を、フードバンク・フードドライブに寄付する

また、お子さんがいらっしゃる場合は、自分たちで農作物を栽培してみたり、養豚場や食肉加工場などの見学に行ってみることも、子供にできることの1つです。私たちが普段食べているものが、手間暇かけて作られていること、動物の命を頂いていることを実感することができ、食べ物をなるべく無駄にしないよう心掛けるようになりますよ。

②:飢餓問題に取り組んでいる団体に寄付を行う

次に私たちができることは、飢餓問題に取り組んでいる団体に寄付を行うことです。ユニセフの寄付は小学校でもよく行っているため、学校でできることかつ子供にできることとして非常に身近な取り組みですよね。NPO・NGOの食糧支援活動の多くは収益性がないため、寄付を原資として行われています。私たちがこうした団体に寄付や募金を行うことで、間接的に飢餓問題の解決に繋がります。また、寄付を行うと寄付先から活動報告書が年次で送られてくるため、リアルな飢餓の現状とそれに立ち向かう人々の姿を実感することができます。

さらに、認定された非営利団体に寄付を行うことで、寄付額分の所得税を控除してもらうことができます。

寄付先の選び方としては、自分で団体のHPやSNSなどで活動内容をしっかりと見て、寄付金が貧困解決に使われているのかを注視しましょう。また、各団体行っている活動内容は異なるため、自分の価値観にあった団体に募金を行うと良いと思います。寄付先に迷っている方は、「hunger free world」や「TABLE FOR TWO」「日本ユニセフ協会」などのHPを見てみてはいかがでしょうか?

③:飢餓をゼロにすることに繋がる商品を選んで購入する

私たちができることの3つ目は、商品を購入する際に飢餓撲滅につながる商品を選ぶことです。商品を購入すると、その金額の一部が飢餓撲滅に使われる商品があります。その具体的な取り組みをいくつか、以下に記載します。

なお、フェアトレード商品は貧困解決や児童労働削減などにお金が使われる場合もあり、すべての商品が飢餓を無くすために使われているわけではないことを留意してください。

  • レッドカップキャンペーン:赤いカップのマークがついた商品を購入すると、その売上の一部がWFPの学校給食支援事業に寄付される
  • TABLE FOR TWOプログラム:TABLE FOR TWO参加企業の商品を購入すると、その売上の一部がケニアやタンザニアなどの学校給食支援事業に使われる
  • BIKAS COFFEEのコーヒー:アグロフォレストリーで栽培されているコーヒーを購入することで、持続可能なコーヒー生産を応援する

また、認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンでは、文化祭やイベントで取り扱えるフェアトレード商品の委託販売を行っています。飢餓をなくす目的で学校でできることとしては、非常に良い取り組みになると思います。

こうした商品を購入しようと思った方に気を付けて欲しいことは、「無理に飢餓撲滅につながる商品を購入しようとしないこと」です。自分に必要がないフェアトレード食品などを購入すると、結果食べずに放置され、それが食品ロスとなってしまいます。それよりは、「通常の商品」「飢餓の削減につながる商品」の選択肢があった際に、飢餓の削減につながる商品を選ぶことが、私たちが飢餓をゼロにするためにできることです。

④:飢餓問題について知る・学ぶ

最後に最も大切な私たちが飢餓をなくすためにできることは、飢餓問題について目を背けず学び続けることです。

日本で生きていると、飢餓の人を見る事はまずないと思います。しかし、アフリカや南アジアなど世界の途上国には、1日1食も食べられない子ども達や、栄養失調で倒れる人々などが今でも存在しているというのが世界の現状です。SDGs2の目標達成度もまだまだ低く、現在の取り組みだけでは解決は困難です。

こうした飢餓という問題があることを理解し、これらの問題について意識を向けることが、問題解決への一歩となります。今回飢餓問題を知ったことをきっかけとして、これからも自分たちにできることとして、ニュースやネットなどで飢餓問題の情報を定期的に詳しく学び続けてもらえると嬉しいです。

まとめ:SDGs目標2の「飢餓をゼロに」には、まだまだ多くの取り組みが必要

今回は、SDGs2の目標である「飢餓をゼロに」について解説してきました。今回の内容を簡単にまとめます。

  • 「飢餓をゼロに」には8つのターゲットがある
  • 飢餓とはエネルギー不足によって不快感や苦痛が引き起こされる状態のこと
  • 飢餓には、突発的な飢餓と慢性的な飢餓が存在する
  • 全世界には約7億3500万人の飢餓者がいる
  • 飢餓になると、出産時の母親の死亡や障害児の増加、免疫力の低下などが発生する
  • 飢餓を無くすため、政府やNPO・企業などが多くの取り組みを行っている
  • 私たちも飢餓をゼロにするためにできることがある

SDGsでは、2030年までに飢餓をゼロにすることを目指していますが、今のままではゴールできるどころか、より悪化の一途を辿っています。私たちが直接、途上国の飢餓者のためにできることは困難かもしれませんが、自分たちにできることから少しづつ飢餓対策に取り組んでいきましょう。

ソーシャルエッグでは、他のSDGsの項目の解説や、飢餓対策に取り組む事業者の紹介などを行っています。もしよろしければ、他の記事も読んでみてください。

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この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

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