社会問題の一覧を紹介!社会問題解決に取り組んでいる企業や法人一覧も紹介!

社会問題とは、社会において未解決の問題の総称のことです。日常生活で身近な社会問題から、地球規模の大きなものまで、現代では社会課題の数は100を超えると言われています。

今回は、社会問題をテーマ別にまとめ、総計39個の社会問題リストを解説していきます。また、それらの社会問題解決のために活動している企業や法人などを紹介し、社会課題に対して私たちができることは何かを考えるきっかけになればと思います。

目次

社会問題とは?

まず、社会問題の一覧を知る前に、社会問題とはそもそも何か解説していきます。東京大学大学院人文社会系研究科教授の赤川博士は、社会問題とは以下のように定義しています。

社会問題は、はじめから客観的に存在するのではなく、『社会問題がある』と定義し、クレイムを申し立てる社会成員の活動(クレイム申し立て活動)によって構築される

社会問題の社会学 【著者】赤川 学

つまり、『①:誰かが社会問題があると認識し』『②:それが問題だと社会に訴えかける』と初めて社会問題が生まれると定義しています。ただし、『社会問題とは?』に関する定義は様々な学者が提唱していて、未だ決まった定義はありません。MDGsやSDGs・ESG・エコ・サステナブルといった言葉は、すべて社会問題の中に内包されるものです。

社会問題は「社会全体という広い範囲で発生している問題」であり、環境問題・人種差別・貧困や経済格差など、様々な分野に、日本だけでなく世界全体にまたがっています。そのため、今回取り上げている社会問題以外にも、世界中に様々な問題が存在しています。これらの社会問題を解決するためには、企業やNPO法人・私たち1人1人が一丸となって解決に向けて行動していくことが大切です。

地方創生に関する社会問題の一覧

過疎化・限界集落

過疎化とは、その地域の人口が減少することで、公共サービスや基本生活の維持ができなくなり、住民減少に歯止めがかからないことです。過疎地域とされるには「人口要件」と「財政力要件」に該当する必要があり、

  • 人口減少率
  • 高齢者比率
  • 若年者比率
  • 財政力指数
  • 公営競技収益

から決定されます。2022年時点で日本の過疎関係市町村の数は885(全市町村の49.4%)とされていて、その数は年々増加傾向にあり、日本の抱える問題の1つです。(総務省調べ

また、65歳以上の高齢者が地域住人の半数を超えると「限界集落」と呼ばれる状態になり、通常の生活を維持することが限界に近づきます。国土交通省の調査では、いずれ3614の集落が消滅すると予測されています。

過疎化・限界集落になってしまう原因としては、若者が仕事を求めて上京して帰ってこなかったり、移住者が地域に馴染めず離れていってしまったりすることが挙げられます。

【過疎問題の解決に取り組んでいる企業】

東成瀬テックソリューションズ株式会社

秋田県東成瀬村にて、官民共同出資で設立されたIT企業です。

ITエンジニアを社内で育成し、彼らに都会から引き受けた仕事をリモートワークで任せることで、高単価の仕事を東成瀬村に生み出しています。また、自治体主導で子育て支援を充実させることで、「仕事があり子育てに向いた村」として若者の移住者を増やし、少子高齢化問題の解決を目指しています。

【公式HP】なるテック|東成瀬テッ...
【公式HP】なるテック|東成瀬テックソリューションズ株式会社 なるテックのコーポレートサイトです。なるテックは、秋田県東成瀬村が出資する第三セクター方式のテクノロジー企業です。

空き家問題

空き家は2013年時点で820万戸と、総住宅数の13.5%となっています。(総務省調べ)2033年頃には全住宅の3分の1が空き家になるという民間予測もあり、空き家問題は急速に増加しています。

空き家が生まれる原因としては、子供世代の都市部への引っ越しや相続時の税金、地域の過疎化などが挙げられます。空き家が増えると、犯罪の温床になったり、野生動物の住処となってしまい、より地域の過疎化が進行してしまいます。また、空き家を相続するのにも多額の相続税がかかり、結果だれも相続してくれないという現在の問題もあります。

【空き家問題の解決に取り組んでいる企業】

RENNOVATER株式会社

シングルマザーや外国人、低所得者などの住宅を借りられない人たちに対して、空き家を買い取りリノベーションして、住居を貸し出している企業です。空き家のオーナーにとっては、買い取りからリノベーションまで一括で行ってくれる手軽さが好評。入居希望者にとっては、敷金礼金や初期費用が一切不要など、事情があって不動産屋で借りられない全ての人に住居を提供しています。

Rennovater
Rennovater株式会社 | 「すべての人に、こころ休まる住まいを」 住宅の確保が困難な方が心休まる住まいを獲得し、家を起点に豊かで前向きな暮らしをおくれるようになることを目指しています。

インフラの老朽化、公共交通機関の廃線

インフラの老朽化とは、使われなくなり放棄されている橋や、ひび割れた道路などが、修繕する費用もなく放置されていることです。

インフラ老朽化が社会課題として挙げられる原因は、高度経済成長期に建築したインフラが一斉に耐久限界を迎えていることにあります。多数のインフラが同時に修繕が必要となり、優先度の低い地方のインフラは修繕が後回しにされがちです。

インフラが老朽化すると、更なる過疎の進行や事故の発生に繋がります。最近の社会問題として話題となった中央自動車道笹子トンネルの崩落事故も、老朽化による経年劣化が原因でした。


また、過疎地域では電車やバスの廃線の影響で、高齢者の移動手段が失われているという問題もあります。住民数が少ない過疎地域では、民間の電車やバスは採算が合わず撤退してしまいます。

これにより、高齢者が自ら車を運転して買い物に行かなければならず、運転中に事故を引き起こす可能性もあります。土地が広く住民数が少ない北海道では、不採算路線の廃線が相次いでおり、2023年以降で4路線の廃線が決まっていて近年の社会問題となっています。

【公共交通機関の維持に取り組んでいる企業】

銚子電鉄

銚子電鉄は、千葉県銚子市を走るローカル鉄道です。創業当時からずっと赤字続きだったため、ぬれ煎餅を販売した所またたくまに大ヒット。1年で4億2000万円を売り上げ、鉄道事業の赤字を副業で賄う手法を獲得しました。

それ以降、アニメと電車のコラボやお化け屋敷電車など、様々な手段で集客・商品販売などを行い、鉄道の存続を続けています。

銚子電気鉄道株式会社
銚子電気鉄道株式会社 皆様に「この町に銚電があってよかった。銚電ありがとう!」と言ってもらえる、そんな会社になるために、鉄道事業と名物「奇跡のぬれ煎餅」販売で、どんな逆境にも絶対にあ...

耕作放棄地問題

耕作放棄地とは、1年以上作物が栽培されておらず、今後も栽培をする予定のない土地のことです。耕作放棄地は2005年には38.6万ha(東京都の面積の約1.8倍)あると推計されています。(農林水産省調べ

耕作放棄地が発生する原因としては、高齢化による農家の廃業、次世代の担い手不足が多くを占めています。また、海外から安い農作物が入ったことによる収益性の悪化、鳥獣被害なども耕作放棄地となる理由として挙げられています。

耕作放棄地は、数年で雑草の繁殖や動物の住処となってしまい、再度農地として利用するには多額の修繕費用がかかるといった意外な社会問題も抱えています。

【耕作放棄地問題の解決に取り組んでいる企業】

株式会社マイファーム

自産自消できる社会を作る」をビジョンに、耕作放棄地の維持・再生ビジネスを手がけています。具体的には、農地の上に太陽光パネルを設置し農業と発電を同時に行うソーラーシェアリング事業や、空いた農地を「使って欲しい人」と「使いたい人」をマッチングするサービス「ハタムスビ」などのSDGsに沿った事業を展開しています。

株式会社マイファーム
マイファーム 株式会社マイファームは「自産自消のできる社会」を目指して、「農業って楽しい!」を生み出し広げる事業に取り組んでいます。
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文化の消失問題

地方では、その地方にしかない文化が少子高齢化によって失われつつあります。例えば、その地域にしかないお祭りや儀式などの無形文化、伝統工芸品や郷土料理などの有形文化などが、継承相手がおらず消失の危機にあります。

特に今の問題になっていることとしては、世界遺産として有名な白川郷も、高齢化と住民減少・引き継ぎ手の不足により存続の危機に立たされています。

【文化の消失問題の解決に取り組んでいる企業】

四季の美

日本の伝統産業を応援したい!」という想いからスタートした、伝統工芸職人の求人・後継者募集に特化した求人サイト。伝統工芸のインターンシップを実施したり、職人へのインタビューを行い伝統工芸の魅力を伝えています。

四季の美
四季の美 四季の美は、日本の伝統産業を応援する求人サイトです。伝統工芸や伝統文化など、伝統産業で働く人や職人の方にスポットを当て、日本の伝統産業の魅力を発信しています。求...

僻地医療問題

地方では、容易に医療機関を利用できない地域が600地区以上存在しています。これらの地域では、高齢者が定期的に通院することが難しく、医師の負担も大きくなっているという現在の問題があります。また、僻地では病院の統廃合が進んでいて、身近な病院がなくなってしまう課題も抱えています。

【僻地医療問題の解決に取り組んでいる企業】

株式会社REGIE

医療者が各地を旅しながら地域医療に携われるサービス「旅する薬剤師」「旅する看護師」を展開しています。地域の医療者不足の解決策として、医療者がフリーランスのように自由に働ける環境を提供しています。

REGIE
REGIE | 医療者の想いを支援する、医療、転職、人材、医療HR 「大切な人に、自分らしく、笑顔でいてほしい。」REGIEはそんな“皆”の願いを叶えるために、何よりも大切な人のしあわせを考え続け、誰よりも医療者の想いを支援するサービ...

教育に関する社会問題の一覧

不登校・引きこもり

不登校の子どもは2021年時点で24万人以上と、クラスに1人は不登校の生徒がいるという身近な社会問題です。(文部科学省調べ

画像参照:https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_1.pdf

子供が不登校になってしまう理由は、「友人関係をめぐる問題」「学業不振」「教員との関係をめぐる問題」「両親の離婚」「家庭内の不和」などが一因だとされています。不登校の子どもは教育が受けられないだけでなく、人間関係の構築に支障をきたしたり、カウンセラーによるケアも行いにくいという問題があります。

【不登校問題の解決に取り組んでいる法人】

認定NPO法人KATARIBA

KATARIBAは「すべての10代が意欲と創造性を手にできる未来を実現する」を理念に、不登校の子ども向けにも居場所や学習機会を提供しているNPO法人です。

学校を模したメタバース空間を作り、まずはオンライン上からコミュニケーションを取れる居場所を構築しています。また、当事者の親同士が悩みを相談できるオープンチャットを開くことで、親たちが子どもへの向き合い方を相談できる場も用意しています。

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いじめ問題

いじめ問題は、表に出てきづらく認知件数と実数が大きく乖離している問題と言われています。当事者がいじめを受けていると感じていても、加害者や学校・教育委員会がそれを認めない例はよくニュースでも聞くと思います。

いじめが起きやすい環境としては、「子どもにとってストレスが多い」「大人が子供を見ていない」環境が挙げられます。また近年は、LINEで自分だけ仲間外れにされる、ネット上に自分の写真を拡散される、などのSNSを通した精神的いじめが増加しています。

【いじめ問題の解決に取り組んでいる法人】

特定非営利活動法人ユース・ガーディアン

ユース・ガーディアン代表の阿部さんは、現役の探偵。探偵の力を使い、ICレコーダーや追跡調査などによって、裁判で有効性のある証拠を無料で収集してくれます。現在は月に15件ほどの実態調査を行っています。

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待機児童問題

待機児童とは、「保育の必要性の認定 がされ、特定教育・保育施設又は特定地域型保育事業の利用の申込がされているが、利用していないもの」とされています。全国の待機児童の数は、2022年時点で2944人となっていて、2017年の26081人から1/9になっています。(厚生労働省調べ

待機児童問題の原因は「共働き世帯の増加」「保育士・保育園不足」「若年層の都市部への集中」が挙げられています。ただ、近年は待機児童問題が世間で大きな話題を浴びたこともあり、自治体が積極的に整備を行ったおかげで、待機児童問題は今の問題として解消されつつあります。

【待機児童問題の解決に取り組んでいる法人】

特定非営利活動法人ダイバーシティ工房

ダイバーシティ工房は、千葉県市川市にて「にじいろおうちえん」という保育所を運営しています。認可保育園に入りづらい家庭を優先してくれるだけでなく、各家庭のライフスタイルに合わせた子ども達の受け入れを行っています。

また、自分と似た家庭同士が親しくなる仕組みがあり、育児や仕事との両立などの相談を行うことが可能です。

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奨学金制度

日本では、大学進学率は2021年時点で約55%と、年々上昇傾向にあります。その一方で、私立大学の学費は50年前の約5倍、国公立学の学費は50年前の約20倍となっていて、学費を払えない家庭は大学教育を受けるために奨学金を借りざるを得ない状況です。2023年時点では、大学生の50%が奨学金を借りて大学に通っています。

画像参照:https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/761.html

奨学金制度の一番の問題点は、貸与型の奨学金は卒業後に月1~2万円ほどの返済義務があることです。奨学金を利用している学生の32.5%は、貸与型の奨学金を利用しています。(独立行政法人日本学生支援機構)また、貸与型の奨学金を利用している学生のうち、60.1%は有利子の奨学金を借りています。

そのため、卒業後は私立の場合は約400万円、国公立の場合は約230万円を20年間以内で返還しなくてはならず、新卒で給料がまだ低い若者にとっては重い負担となっています。

【奨学金問題の解決に取り組んでいる法人】

NPO法人Bridge for Smile

Bridge for Smileでは、児童養護施設や里親家庭などで暮らす子ども達へ、進学のための給付型奨学金支援を行っています。親を頼れない子ども達が進学を諦めることがないよう、金銭面と精神面の両面で支援を行っています。

また、奨学金の使用用途について、メンターと資金計画をしっかりと立てることで、初めての一人暮らしの生活費の浪費を抑えることができます。

NPO法人ブリッジフォースマイル |...
NPO法人ブリッジフォースマイル | 親を頼れない子どもたちの巣立ち支援 ブリッジフォースマイル(B4S)の公式サイトです。B4Sは児童養護施設や里親家庭などで暮らす、虐待などで親を頼れない子どもたちの自立を支援をしている認定NPO法人です。...

貧困問題に関する社会問題の一覧

経済格差

経済格差を示す日本のジニ係数は、2017年時点で当初所得ジニ係数(税による再分配前の係数)は0.5594、再分配所得ジニ係数(税による再分配後の係数)は0.3721となっています。このジニ係数は、1に近ければ近いほど格差が高い指標で、日本は世界で14番目に格差が大きい国となっています。(GLOBAL NOTE調べ

経済格差が大きい理由としては「非正規雇用と正規雇用の格差」「シングルマザーの増加」「地方と都心の給料格差」などが挙げられています。また、75歳以上の高齢者の当初所得ジニ係数は0.80と極めて高い数値を示していて、裕福な高齢者と貧しい高齢者の二極化が始まっています。これは、今後の日本が抱える問題です。

画像参照:https://www.rieti.go.jp/jp/special/af/data/060_inoue.pdf

【経済格差問題に取り組んでいる法人】

一般社団法人グラミン日本

グラミン日本は、世界的に有名なマイクロファイナンス機関「グラミン銀行」の日本版です。グラミン銀行が進めるマイクロファイナンスとは、貧困や生活困窮者に対して低金利・無担保・保証人不要で融資を行うことで、貧困から脱出する機会を支援する仕組みです。

ただ貧困層にお金を貸すだけでなく、そのお金の使い道や定期相談を行うことで、借り手の生活水準を高めながらしっかりと返済できるようなサポートを行っています。その結果、貧困層への融資にもかかわらず返済率98%以上という非常に高い返済率を収めています。グラミン銀行は投資家からのESG投資先としても注目を集めています。

グラミン日本 | 誰もがいきいきと...
グラミン日本 | 誰もがいきいきと活躍する 持続可能な社会へ グラミン日本は、貧困や生活困窮の状態にある方々に低利・無担保で少額の融資を行い、こうした方々が起業や就労によって貧困や生活困窮から脱却し自立するのを支援するマイ...

シングルマザー・シングルファザー問題

日本では、ひとり親世帯は2016年時点で141.9万世帯と、全世帯の0.99%がひとり親世帯です。(厚生労働省調べ)そのうち母子家庭は123.2万世帯、父子家庭は18.7万世帯となっています。1人で子どもを養育しながら働くことは、時間的にも精神的にも大きな労力がかかります。

画像参照:https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-05-09.html

母子家庭のうち37.6%が年間所得が200万円未満であり、ひとり親の貧困が子供の学力や進学率に大きな影響を与えることが分かっています。大学進学率は、全世帯平均が53.7%なのに対して、ひとり親世帯は23.9%と顕著に差が生まれていて、大きな日本の社会問題となっています。

【シングルマザー・シングルファザー問題に取り組んでいる法人】

NPO法人サステナブルネット

サステナブルネットは静岡県にて、ひとり親当事者の方がひとり親支援事業を運営しています。フードパントリーや子ども食堂、ひとり親家庭オンライン相談室、子供向けの学習支援などを行っています。

また、地域のひとり親コミュニティの窓口にもなっていて、普段は相談しにくいひとり親特有の悩みを相談し合える場所を提供しています。

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子どもの貧困問題

日本の子どもの貧困率は13.5%と、7人に1人の子どもが貧困とされています。(2018年 厚生労働省調べ)子どもの貧困はひとり親問題と密接に紐づいていて、ひとり親世帯の貧困率は48.1%と先進国ではワーストの数値と、日本の抱える問題です。

子どもの貧困の一番の問題点は、貧困は連鎖しやすいということです。親が貧困層の場合、子どもの進学率・正規雇用率・年収はすべて低くなるというデータがあります。また、劣悪な生活環境から非行や犯罪に走ってしまう子どもも多く、それがさらに貧困の連鎖を生み出しています。

【子どもの貧困問題の解決に取り組んでいる法人】

NPO法人キッズドア

キッズドアでは、「経済的格差が教育格差であってはならない」という考えのもと、すべての子ども達に無料で質の高い教育を行っています。学校の勉強を教える学習支援、居場所がない子向けの居場所支援、お金がなく様々な体験ができない子向けの体験支援などを通して、教育から貧困の連鎖を断ち切ろうとしています。

2023年からは、全国の子育て世帯を対象に、食品や文房具の支援・奨学金情報の発信や資格獲得サポートなどの支援活動もスタートしました。

認定NPO法人キッズドア
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介護問題に関する社会問題の一覧

介護職員不足問題

介護職員は2040年に約69万人不足すると推測されていて、これ大きな日本の社会問題となっています。特に都市部での介護職員不足は顕著で、東京都は約72000人、大阪府は約67000人の介護職員が不足すると予測されています。(厚生労働省調べ

介護職員不足の原因としては、「職場環境による離職率の高さ」「ネガティブなイメージがあり新規就業者が集まらない」「給料の低さ」が挙げられています。特に給与の低さは大きな課題となっていて、「国が介護サービスの報酬規定を制限している」「介護職員の4割は非正規職員である」ため、介護職員の平均月収は21万円と全職種平均の30万円を大きく下回っています。コロナ禍では過酷な労働環境で多くの介護職員が離職してしまいました。低い給料と厳しい労働環境が、新規就業者のハードルと離職率の高さに大きな影響を与えています。

【介護職員不足の解決に取り組んでいる企業】

株式会社プラスロボ

プラスロボは、お手伝いを求めている介護施設と、介護をお手伝いしたい人を繋ぐマッチングサービス「Sketter」を展開しています。

介護の現場には、介護の資格が無くてもできる雑務が多くあり、それらの雑務に介護職員が時間を割かれてしまっています。そこでSketterではこの問題の解決策として、資格がない人向けの介護のお手伝い(食事づくり・レク・掃除・写真撮影・HPやSNSの運用など)を募集していて、非介護職員が介護のお手伝いを行う事で、介護現場の負担を軽減することを目指しています。

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Sketter代表の鈴木さんのインタビュー記事はこちら

老老介護問題

老老介護とは、65歳以上の高齢者が同じく65歳以上の高齢者を介護している状態のことです。2023年の調査では、老老介護の割合は介護世帯の63.5%となっています。(厚生労働省調べ)コロナ禍がありながらも医療の進歩によって寿命は延びていて、男性は平均8年・女性は平均12年、介護を受けながら生きる必要があるとされています。

老老介護の問題点としては、「お互いの肉体的な負担」「介護疲れによる虐待行為の発生」「ストレスによるうつ病の発症」などが挙げられます。また、老老介護の中でも、認知症の要介護者を認知症の方が介護している状態を「認認介護」と言い、介護をしたのかもご飯を食べたのかも分からない状態で介護を続ける状態になってしまいます。老老介護は今後の日本が抱える問題の1つと言えます。

【老老介護問題に取り組んでいる企業】

株式会社ZIPCARE

ZIPCAREは、在宅介護を行っている高齢者を見守るシステム「見守り介護ロボットまもる~のONE」を提供しています。老老介護の父母を、子どもが遠隔地から見守ってあげることができたり、介護士が遠隔から高齢者の状態を把握することができます。

また、異変を感知した際には駆け付け代行サービスも行っていて、認認介護同士の場合でも異変を察知して専門のガードマンが駆け付けてくれるため安心です。

株式会社ZIPCARE | 介護の専門的な...

ヤングケアラー問題

ヤングケアラーとは、家事や育児・介護などを担っていて、勉強や同年代の子との遊びなどが満足にできていない子供たちのことです。日本では、公立中学生の5.7%にヤングケアラーがいるとされていて、平均で9.9歳の頃から家族の世話を行っています。(日本財団調べ

画像参照:https://youngcarer.jp/report/

家計を支えるためにアルバイトをしている子どもや、幼い兄弟の世話をしている子ども、忙しい家族の代わりに家事をしている子どもなど、様々なヤングケアラーがいます。ヤングケアラーの半分はひとり親で、大人の手が足りない所で子どもができることを行っています。通信制高校生の中には、1日7時間以上もケアに時間を費やしている子どもがヤングケアラーの25%を占めています。

ヤングケアラーの問題点は、勉強をする時間が十分に取れなかったり、精神面の成長に必要な友達との交流機会が失われる点にあります。また、学校や自治体がヤングケアラーを支援する制度はほとんど存在していなく、ヤングケアラーが孤立状態でケアを行っています。また、ヤングケアラーはまだあまり知られておらず、意外な社会問題として取り扱われており、ヤングケアラー自体が社会問題としての認知度が低いことも課題の1つです。

【ヤングケアラー問題に取り組んでいる企業】

株式会社チャーム・ケア・コーポレーション

チャーム・ケア・コーポレーションは高齢者向けの有料老人ホーム運営を行っている企業です。その傍ら、ヤングケアラーの支援を行っています

支援の1つ目はレスパイト支援。ヤングケアラーが息抜きができるよう、一時的に介護を引き受けてあげます。これにより、勉強に集中できたり、修学旅行に行く事ができたりします。

支援の2つ目は就労支援。運営している老人ホームでアルバイトの機会を提供し、お金を稼ぎながら介護スキルを学ぶことができます。また、休みは柔軟に取れるようにしていて、ヤングケアラーの家族ケアにも配慮しています。

支援の3つ目は奨学金の返済支援。チャーム・ケア・コーポレーションに入社した方は、会社が奨学金を代わりに返済してくれます。ヤングケアラーは奨学金を借りている割合が高いため、会社がその負担を持ってあげています。

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環境問題に関する社会問題の一覧

地球温暖化・海面上昇

世界の平均気温は、1880年~2012年の間に0.85℃上昇しています。これは少ないように見えますが、過去0.85℃上昇するのに4000年もかかっていることから、現在の気温の上昇スピードは異常だと分かります。急激な気候変動は地球にどのような被害をもたらすか未知数です。

このまま温暖化が進むことで「多くの生物の絶滅」「食糧生産の減少」「水不足」「マラリアなどの感染症の拡大」「異常気象の多発」などが起きると言われています。また、氷河や氷床が溶ける事で海面上昇が発生し、21世紀中に最大82cm海面水位が上昇するとされています。これは海抜が低い島国には大きな問題で、日本でも砂浜の9割は消失すると推測されています。

【地球温暖化問題に取り組んでいる企業】

株式会社Looop

Looopは再生可能エネルギーを手がける企業です。Looopは発電施設の制作から蓄電・電力網の確立まですべてを一貫して行うという、世界でも珍しい再生可能エネルギー事業を手がけています。

再生可能エネルギーは火力発電よりもコストが高くなりがちですが、発電から供給までを一貫して手がけることでコストを削減し、エコな電力を安価に提供しています。

Looop (ループ) |
株式会社 L o o o p (ループ) 企業サイト | 再生可能エネルギーの最大普及を目指す電力会社 再生可能エネルギーの最大普及を通じた「エネルギーフリー社会」の実現を目指す電力会社、株式会社Looop(ループ)の企業サイトです。会社情報や事業紹介、太陽光発電を中心...

自然破壊・砂漠化

世界の森林面積のうち、30%はすでに消失していて、20%は消失危機にあるとされています。自然破壊の主な原因は「温暖化による森林火災の増加」「人口増加による焼畑・灌漑農業の増加」「過剰な森林伐採」とされています。

これらの自然破壊は、温暖化を助長するだけではなく、現地の固有種の絶滅に繋がっています。この20年間で絶滅危惧種は15種から4000種へと増加していて、生物多様性が失われ始めています。また、サハラ以南では砂漠化が進行していて、水不足や食糧不足に見舞われています。

【自然破壊問題に取り組んでいる企業】

ワイエルフォレスト株式会社

ワイエルフォレストはインドネシア政府公認で植林事業を行っている日本企業です。インドネシアはパーム油のプランテーションにより森林伐採が深刻な地域です。そこで、インドネシアにてマングローブを植林し、CO2削減とともに現地の生態系の保護を行っています。

また、インドネシアは津波被害を頻繁に受ける国でもあります。そこで、マングローブを植林する事で津波の防波堤にもしています。

ワイエルフォレスト株式会社
ワイエルフォレスト株式会社 インドネシア政府認可のもと、マングローブ植林保全事業を行っています。

海洋プラスチック問題

現在、年間800万トンのプラスチックごみが海に流出しており、累計で1億5000万トンのプラスチックごみが海に存在しています。これらの海中のプラスチックは、ウミガメや海鳥が間違えて飲み込んでしまいます。プラスチックごみを飲み込んでいる割合は、ウミガメの52%、海鳥の90%はプラスチックごみと推測されています。(NTT調べ

特に日本は、世界で3番目にプラスチックを生産している国であり、日本人の1人あたりプラスチック利用量は他国と比べてもかなり高いです。私たちが海に廃棄したプラスチックは、海中で分解されマイクロプラスチックとなり、それを飲み込んだ魚を再度私たちが食べることになります。このまま問題を放置していると、人体に有害物質が溜まり続けてしまう可能性があります。

【海洋プラスチック問題に取り組んでいる企業】

アスクル株式会社

海流の関係から多くの海洋プラスチックが漂流する対馬市にて、海洋プラスチックの回収を行っています。回収した海洋プラスチックは再生樹脂に加工して販売し、利益の一部を対馬市の海洋プラスチックごみ対策に当てています

また、海洋プラスチックごみの実態が分かる「対馬スタディーツアー」を実施し、海洋プラスチックごみに対する意識変容というSDGsに即した取り組みも行っています。

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ごみの廃棄問題

日本では、1人1日あたり1kgほどのごみを出しています。(環境省調べ)ごみの埋め立て可能地は残り22年で無くなると推測されているため、日本では不燃物を海外に買い取ってもらっています。その結果、フィリピンやケニアなどにごみを押し付け、それらの国がごみで溢れかえるという自体が発生しています。

【ごみの廃棄問題に取り組んでいる方】

長坂 真護

長坂さんは、世界最大の電子物廃棄場であるガーナにて、廃棄されたごみを素材にしたアート作品を制作・販売しています。現地のガーナ人を雇用し、ごみ捨て場のごみを利用しつつ、環境問題の啓発を行うアート作品を作成しています。これらの作品は1枚2億円で取引されているものもあります。

長坂さんはアート作品の売上を用いて、現地にリサイクル工場を建設しています。これにより、ごみ問題の啓発だけでなく、ガーナのごみ問題を根本から解決できるような仕組みづくりを目指しています。

MAGO GALLERY ONLINE
長坂真護 オンラインギャラリー | MAGO GALLERY ガーナのスラム街に積み上がる先進国からの廃棄物でアートを制作する美術家・長坂真護は、サステナブル・キャピタリズム(持続可能な資本主義)を提唱し、ガーナのスラム街...
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大気汚染問題

日本では大気汚染は改善傾向にありますが、発展途上国では大気汚染はとても深刻な問題です。世界で最も大気汚染が深刻だとされているバングラディシュの首都ダッカでは、普通に生活していても毎日たばこ1.7本分の汚染物質を吸い込んでいるような状態です。大気汚染による死者は年間8万人程度も出ていると推測されています。(ロイター調べ

これらの発展途上国では、大気汚染問題の解決よりも経済成長を優先しているため、なかなか問題が解決されないという課題があります。

【大気汚染問題に取り組んでいる企業】

株式会社ユーグレナ

ユーグレナは「人と地球を健康にする」をパーパスに掲げ、バイオ燃料「サステオ」の開発を行っています。使用済みの食用油と微生物を基にした燃料を開発し、バイオジェット燃料やバイオディーゼル燃料として供給を行っています。

ユーグレナのバイオ燃料は、CO2排出の総量が増えないカーボンニュートラルな燃料となっています。また、原料の藻は砂漠でも海上でも培養可能なため、場所によらず燃料を安定的に作り出すことが可能です。

ユーグレナはかなり昔からSDGsに基づいた経営をしている企業で、ESG投資先としても投資家からの注目を集めています。

株式会社ユーグレナ | Euglena C...
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食に関する社会問題の一覧

食糧自給率問題

日本の食料自給率は2019年時点で38%です。(農林水産省調べ)食糧自給率が低いことで起きる問題は「天災や戦争などで輸入が途絶えた時に食べ物が得られなくなる」「世界的な食糧需要増大による食糧供給不足」「海外からの安価な食糧品によって、国内農産業が衰退する」の3点が挙げられます。

特に近年の社会問題として、食糧安全保障というワードもよく聞かれるようになっています。戦争時に輸入がストップした際、食糧自給率が低いと国内の人々を養うのに必要な食糧が確保できません。国の安全保障のためにも、日ごろから食料自給率を上げておくことが、食糧問題の一環として大切だと言われています。

【食糧自給率問題に取り組んでいる企業】

株式会社食の力コーポレーション

食の力コーポレーションは、大豆ミートの栽培から商品化までを一貫して行う事で、日本で低い肉類の食料自給率向上を目指しているベンチャー企業です。全国の耕作放棄地を活用し、大豆を栽培し、大豆ミートを生産しています。

耕作放棄地を利用するため土地購入費用は必要なく、営農ノウハウも提供してくれるため、新たに新規就農者が参画しやすい仕組みとなっています。また、収穫後は全量買い取りを行ってくれるため、安心して農業に取り組むことができ、農家の増加から食料自給率改善に取り組んでいます。

食品ロス・フードロス・フードウェイスト問題

フードロスとは、食品の収穫・加工・包装・輸送などの過程で発生する食品廃棄物のことです。主に農家や製造工場などで発生します。フードウェイストとは、小売店・レストラン・消費者の家庭などで発生する食品廃棄物のことです。小売店での1/3ルールでの廃棄やレストランや家庭での食べ残しなどがこれに当たります。このフードロスとフードウェイストを合わせて、食品ロスと言います。

日本では1年間に612万トン、世界では1年間に13億トンの食品ロスが発生しています。(農林水産省調べ)これら食品ロス全体を有効活用すれば、全世界の飢餓問題を解決できるほどの量が毎年廃棄されています。今後人口増加による食糧不足が見込まれているため、食品ロスを減らすことは食糧問題の中でもとても重要です。

【食品ロス問題に取り組んでいる企業】

株式会社クラダシ

クラダシでは、賞味期限間近の食品や規格外食品・季節が過ぎた季節限定商品などをお得な値段で販売するサイト「Kuradashi」を運営しています。消費者が手軽にフードロス削減に取り組めるだけでなく、購入金額の一部を任意の社会貢献活動に寄付することができるため、社会問題への意識を高める事ができます。

クラダシではこれまで、14000トンのフードロス削減、38000トンのCO2削減、9800万円の非営利団体への寄付を達成しています。

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食物アレルギー問題

食物アレルギーとは、あるアレルギーを持った患者が対象の食べ物に触れたり食べたりすることで、アレルギー反応が発生する疾患です。症状を発症すると、皮膚のかゆみや喘息、目の充血や嘔吐などを引き起こします。また、急に複数の臓器に症状があらわれることをアナフィラキシーと呼び、アナフィラキシーショックは命の危機を引き起こします。

食物アレルギーを引き起こしやすい食品8種(えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、ピーナッツ)は特定原材料として表示義務があり、それに準じる20種の食品は表示が推奨されています。しかし、これらの表示に気付かずアレルギー食品を食べてしまう問題は毎年のように発生しています。また、小麦アレルギーや卵アレルギーの方は、なかなか口にできる食物が少なく、日々の生活で不便を強いられています。

【食物アレルギー問題に取り組んでいる企業】

辻安全食品株式会社

辻安全食品は、アレルゲン特定原材料28種すべてを含まない、ノンアレルゲン食品を開発・販売している企業です。「食物アレルギーで良かったと思えるライフスタイルを作る」ことを掲げ、食物アレルギーの方に安心・安全でおいしい食品を提供しています。

特に、ノンアレルゲン調味料は非常に貴重で、一般のスーパーではほぼ取扱いがありません。ノンアレルゲンのしょうゆやケチャップ・ソースなどを開発することで、食物アレルギーの方が調味料を使った料理を楽しめる社会を作っています。

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社会全体の社会問題の一覧

ジェンダー問題

性的マイノリティ(LGBTQ)と呼ばれる方は日本の11人に1人いるとされています。(電通ダイバーシティラボ調べ)性は「生物学的性」「性自認」「性的志向」「性表現」の4要素で考える事ができ、社会的性(ジェンダー)は男・女の2種だけでなくグラデーションであると考えることが大事です。

日本ではまだジェンダーに対する意識が薄く、学校や職場でいじめられたり、就職の場で採用差別を受けたりしている方が多くいらっしゃいます。また、特に今問題になっていることとして、日本はG7で唯一同性婚が認められていない国です。パートナーと籍を入れたい同性カップルは「扶養が認められない」「子どもがもてない」などの問題が生じてしまっています。

【ジェンダー問題に取り組んでいる法人】

NPO法人ReBit

ReBitは「LGBTもありのままでオトナになれる社会へ」を理念に、学校でのジェンダー教育・ジェンダーの一覧表の配布・LGBT成人式・キャリア支援などを行っている法人です。

LBGTの子どもはたくさんいるにも関わらず、学校ではジェンダー教育が行われておらず、正しい知識も得られず相談先もありません。そんなLGBTの子どもたちが「ありのままの自分」で生きて行けるように、全国の学校での授業や教職員向けの講座などを行っています。

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性差別問題

日本では「男性が優遇されている場面」や「女性が優遇されている場面」など、性別によった差別が存在します。例えば、男性の方が女性より採用で優遇されやすかったり、女性のみが受けられる補助があったりと、性別によって扱いが異なる例は多々あります。

日本では、男女雇用機会均等法により就業の場での男女差別は禁止されていますが、それでも女性フルタイム労働者の平均賃金は男性の77.5%しかなく、まだまだ性別による賃金格差は埋まっていないのが現状です。(内閣府男女共同参画局調べ)また、「男性だから」「女性だから」という言葉の使われ方も多く、性別によって役割が固定されている社会構造が根深く残っています。

【性差別問題に取り組んでいる法人】

NPO法人ジェンダーイコール

ジェンダーイコールは「ジェンダーギャップをなくし多様性を尊重できる社会」を目指して、性別に関わらず相手を尊重できる意識醸成を行っています。

企業にジェンダー平等研修を行ったり、ジェンダー教育の絵本を作ったり、男性で育児休暇を取得された方の情報を発信したりしています。また、女性の経済的自立支援や男性の家事・育児分担の推進などの活動も行っています。

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ハラスメント問題

ハラスメントとは、相手が嫌がらせやいじめと捉える行為のことです。ハラスメントの中には

  • パワーハラスメント
  • セクシャルハラスメント
  • ジェンダーハラスメント
  • アルコールハラスメント
  • スモークハラスメント
  • マタニティハラスメント
  • リストラハラスメント

などが存在します。これらのハラスメントは、加害者がハラスメントだと思っていないケースも多く、組織全体の意識醸成が重要です。

【ハラスメント問題に取り組んでいる省庁】

厚生労働省 あかるい職場応援団

あかるい職場応援団では、様々なハラスメントの事例を紹介したり、ハラスメント対策マニュアルを配布したり、ハラスメントで悩んでいる方向けの相談窓口などを用意しています。

ハラスメントのオンライン研修講座も無料で提供していて、労働者と経営者がハラスメントに対する意識と知識を身に着けることができます。

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あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイ... あかるい職場応援団は職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)、いじめ・嫌がらせ問題の予防・解決に向けた情報提供のためのポータルサイトです。

在日外国人問題

2020年時点で日本には288万人の在日外国人がいます。(法務省調べ)中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジルの順で多く、永住者や技能実習生・留学など様々な理由で日本に住んでいます。日本に多く住んでいる在日外国人の一覧表ランキングは以下の通りです。

画像参照:https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/nyuukokukanri04_00018.html

在日外国人の方は、低賃金で過酷な労働環境で働かされたり、収入がなく家を借りられないという問題を抱えています。特に技能実習生は最低賃金違反・契約違反の元で働かされている場合が多々あり、過酷な労働環境に耐えかねて失踪する事例も後を絶ちません。

また最近の社会問題として、外国人が日本の生活風習に合わせられず、地域の人と軋轢を起こしているという事例もあります。中華街やインド人街・クルド人街など特定の人種が多く住む土地では、地元住民と外国人住民の衝突が頻繁に発生しています。

【在日外国人問題に取り組んでいる企業】

ボーダレスハウス株式会社

「日本に来た外国人が家主から入居を断られ続ける」という問題を解決するため、ボーダレスハウスでは保証人や初期費用不要で外国人が入居できるシェアハウス「ボーダレスハウス」を運営しています。

ここでは、外国人と日本人が共同で生活することにより、外国人は日本の暮らしの価値観を学ぶことができ、日本人は多様な価値観の人々と共同生活を送る事ができます。異文化交流シェアハウスという楽しい形で、在日外国人解決に取り組んでいる企業です。

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少子高齢化問題

日本の総人口は1億2500万人ですが、そのうち高齢者は3500万人・年少者は1400万人となっています。日本の人口の28.1%が高齢者であり、超高齢社会と呼ばれる領域に入っています。また、出生率は2020年時点で1.33と2を割っていることから、このままでは高齢者が増え続け、子どもが減り続ける社会となってしまいます。(内閣府調べ

少子高齢化が進むと、国の生産力・経済力が低下し、今まで通りの福祉や公共サービスを受けられなくなってしまいます。このままでは、地方の道路や医療サービスが劣化したり、年金や医療保険を受け取れる額が少なくなったり、税金が増加したりする社会が待ち受けています。

【少子高齢化問題に取り組んでいる法人】

社会福祉法人アルペン会

アルペン会では、高齢者と子ども達が一緒になった老人ホーム・保育園を運営しています。「笑いあい、学びあい、支えあう」街づくりを目指すことをコンセプトに、子ども達と高齢者が一緒になって楽しめる施設を提供しています。

例えば、高齢者が子ども達に手話教室を開催したり、料理を教えてあげたり、一緒に運動したり。逆に子ども達が高齢者施設の掃除を手伝ってあげたり、お話をしてあげたりすることで、高齢者と子ども達が一緒になって支え合える社会を作っています。

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未婚化・晩婚化問題

日本の未婚率は2020年時点で男性は28.3%、女性は17.8%となっていて、この数値は右肩上がりです。また、平均初婚年齢は男性が30.7歳、女性が29.4歳とこちらは10年間横ばいとなっています。

画像参照:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2022/r04webhonpen/html/b1_s1-1-3.html
画像参照:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2022/r04webhonpen/html/b1_s1-1-3.html

未婚率の増加が止まらない点が深刻で、未婚率の上昇は少子化に直結してきます。また、晩婚化は女性が生涯に産める子どもの数が少なくなるという点で、こちらも少子化に影響があります。未婚者が挙げる結婚しない理由は「適当な相手にめぐり合わないから」「自由や気楽さを失いたくないから」「結婚後の生活資金が足りないと思うから」「必要性を感じないから」などが上位となっています。

【未婚化・晩婚化問題に取り組んでいる企業】

株式会社Aill

AillはtoB向けのAI縁結びアプリ「Aill goen」を運営しています。Aill goenは企業の福利厚生として登録するマッチングアプリで、企業名や名前・年齢などは必ず嘘が付けない仕組みになっています。また、AIが自分のワークスタイルにあった人を毎日1人紹介してくれ、忙しい働く社会人でも自分のキャリアプランに合った方と出会う事ができます。

Aill goenによって社員が結婚をしてくれれば、その社員も家庭のために長く会社で働いてくれるため、会社にとってもWinのあるサービスとなっています。

Aill goen
Aill goen 福利厚生サービスとして、社外の出逢いを提供する世界初AI縁結びナビゲーションアプリ「Aill goen」サービス本格スタート。

DV・家庭内暴力問題

日本で1年間に発生しているDV(ドメスティック・バイオレンス)の相談件数は、2022年時点で約12万件となっています。(男女共同参画局調べ)このうち、被害者の80%は女性で、20%が男性となっています。DVには、以下の種類があります。

  • 身体的暴力:蹴る、殴る、火を押し付けるなど
  • 精神的・心理的暴力:脅迫や暴言などで心に苦痛を負わせること
  • 性的暴力:強制性行や親から子への性的搾取など
  • 経済的暴力:金銭を使って相手を脅迫すること
  • 社会的隔離:家に閉じ込める、外部の人と連絡を取らせないなど
  • 子供を使った暴力:子どもを利用して相手に被害を与えること

また、親から子への家庭内暴力・児童虐待も深刻な問題です。特に児童虐待は、教育委員会や児童相談所がまともに取り扱ってくれないケースが多く、報告されている数よりも実際に虐待を受けている子どもの数はかなり多いと言われています。

【DV問題に取り組んでいる法人】

NPO法人女性ネットSaya-Saya

Saya-Sayaは「暴力と差別のない女性と男性・人と自然が共生する社会」づくりを目指して、DV被害者の女性と子どもの支援を行っています。

具体的には、「DV相談」「裁判手続きの支援」「子育て家庭支援」「DV被害女性の自立支援プログラム」「DVに関する講座や講演会」などを行っています。また、近年問題となっているデートDVを防ぐため、学校や公民館などで思春期の若者にデートDV予防講座を、無料で行っています。

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障がい者問題

日本には2019年時点で、身体障がいを持った方が436万人、知的障がいを持った方が108万人、精神障がいを持った方が419万人いるとされています。(内閣府調べ

障がい者の方々が抱える問題として「社会の理解が薄い」「障がいがあるため雇ってもらえない」「賃金が低い」「支援制度が不十分」などがあります。国は障がいを持った方を全従業員の2.3%以上雇用しなければならないと義務づけていますが、実際に雇用されるのは仕事が可能な軽度障がいの方に偏っています。中度・高度障がいを持った方が就労できる就労継続支援B型事業所はありますが、時給がわずか222円程度と圧倒的に安いため、これだけでは生活が成り立たないのが現状です。

【障がい者問題に取り組んでいる企業】

株式会社LITALICO

LITALICOは「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、様々な障がい者支援ビジネスを行っている企業です。

LITALICOワークスでは障がいを持った方への就労支援を行っていて、各自の障害特性にあった仕事の紹介を行っています。また、就労支援のために研修を実施したり、履歴書の添削や面接練習、就業後のメンタルケアまで手厚くサポートしてくれます。

他にも、発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」や、障がいのある方向けの就職情報サイト「LITALICO仕事ナビ」などのサービスを展開しています。

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株式会社LITALICO(りたりこ) 株式会社LITALICOは「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、就労支援、幼児教室・学習塾などの教育サービスを提供しています。

長時間労働・過労死問題

日本人の平均残業時間は、男性で平均月21.7時間、女性で平均月6.9時間となっています。(厚生労働省調べ)また、過労死ラインは月に80時間の残業時間とされていますが、この過労死ラインを超えている社員がいる企業は全体の22%と言われています。また教員に至っては、中学生教員の36%が過労死ライン超えとされています。

日本で長時間労働が根付いている原因として、「DX化が進んでいない」「管理職不足」「長時間労働を良しとする企業文化」などが挙げられます。また、労働者が残業代を稼ぐことを目当てに働いている事もあり、労働者自身が主体的に業務効率化を行う姿勢が低いことも挙げられています。

【長時間労働問題に取り組んでいる企業】

株式会社京都銀行

長年銀行は長時間労働というイメージが強い業界でした。しかし京都銀行では、長時間労働を是正するために「7アップ考動」という取り組みを実施しています。

「長時間労働削減」「有給休暇の取得促進」「仕事と家庭の両立支援」「高齢者の雇用促進」の4項目を、経営層自ら実行することで、女性社員の寿退社が減少したり、介護しながら働く社員が生まれたりしています。経営層も就業員も全社的に取り組むことで、業務効率化が行われ、長時間労働の減少に繋がっています。

京都銀行
京都銀行 お客様に信頼され、地域とともに発展する地元のメインバンク 飾らない銀行 京都銀行

海外・世界の社会問題

戦争・紛争問題

2022年時点でも国際社会では、ウクライナ戦争・アフガニスタン紛争・シリア内戦・リビア内戦・イエメン内戦・ミャンマー内戦など様々な地域で戦争や紛争が起きています。これらの国では子どもたちが兵士として使われていたり、性暴力の被害を受けていたり、家を失って難民になる人がいたりと、日本では想像もできない惨状が日常的に起きています。

これらの争いは宗教や資源、民族の違いなどによって引き起こされています。争いが終わった後も、地雷の除去や建物の再建、子ども達への教育など復興には数十年単位の時間を要します。

【戦争・紛争問題に取り組んでいる法人】

NPO法人テラ・ルネッサンス

テラ・ルネッサンスは「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目指して2001年に設立されたNPO法人です。戦後復興活動と平和啓発活動に力を入れていて、地雷撤去活動支援や子ども兵社会復帰プロジェクト、平和教育や小型武器の啓発運動を行っています。

ウガンダでは、元子ども兵と地域の住民の和解促進や教育(識字、算数、英語)を行いながら、洋裁や大工・デザインなどの職能を指南しています。ウクライナでは、炊き出しや生活必需品支援、子どもへのメンタルケアなどを行っています。

認定NPO法人 テラ・ルネッサンス
認定NPO法人テラ・ルネッサンス(平和教育・地雷・小型武器・子ども兵)|認定NPO法人テラ・ルネッサンス 認定NPO法人テラ・ルネッサンスは、平和教育・地雷・小型武器・子ども兵の問題に取り組む国際協力NPOです。すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目...
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スーダン内戦とは?内戦の歴史とスーダン・南スーダンの現状について解説 スーダン内戦とは、スーダン共和国・南スーダン共和国で発生した、2度の内戦のことです。宗教紛争・民族紛争の色が強く、300万人以上の死者と1000万人以上の難民が生じました。今回は、スーダン内戦の歴史を紹介し、現状のスーダン情勢や現在抱える問題などを解説していきます。

児童労働問題

世界では、全児童の10%(1億6000万人)が児童労働を強いられています。(国際労働機関調べ)児童労働はサハラ以南のアフリカに集中していて、学校に通わず家庭の農業を手伝っていたり、鉱山や縫製工場、中には風俗店で働かされている子ども達もいます。コロナ禍では、こうした子どもたちは適切な医療を受けることができず、仕事場で亡くなるケースも多くありました。

私たちの普段の生活は、児童労働の上に成り立っています。安い衣類はインドの児童労働コットン畑とバングラデシュの児童が働く縫製工場から作られていますし、私たちが口にするチョコレートのほとんどは児童の労働力を使って栽培されています。スマートフォンのレアメタルやタイヤのゴムなども、多くが児童労働があるおかげで供給されています。

児童労働が広がることで、子ども達は教育を受けられず貧困の連鎖が続いてしまいます。

【児童労働問題に取り組んでいる法人】

NPO法人かものはしプロジェクト

かものはしプロジェクトは「子どもが売られない社会をつくる」ことを目指し、子どもが買われてしまう社会を根本から変えようと活動しているNPO法人です。

カンボジアの農村では、「良い仕事がある」と言われ騙されて売られる子ども達が多くいました。そのため、村に工房の仕事を作り、彼らが自力でお金を稼げるようになることで、人身売買の誘いに乗らなくても生活できる社会を作り上げました。インドでは売春宿に売られた子どもたちに対して、心身のケアや職業研修・英語研修などを行っています。また、売られない社会をつくるために、加害者の特定や裁判支援などを現地パートナーと協力して行っています。

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こどもの虐待や貧困「なんとかしたい」を大きな力に変えていく | 認定NPO法人かものはしプロジェクト 認定NPO法人かものはしプロジェクトは、「こども・尊厳・市民の力」を大切にし、こどもの虐待や貧困「なんとかしたい」を大きな力に変えていく活動をしています。

民族弾圧問題

世界では、中国のウイグル族やチベット族、ミャンマーのロヒンギャ、イスラエルのパレスチナ人、トルコのクルド人などが迫害を受けています。民族弾圧の原因は宗教の違いがほとんどであり、「自分たちと異なる宗教の人は人ではない」「自分たちの民族が最も優れている」といったイデオロギーから他民族を迫害する行動に発展しています。

特に最近の中国のウイグル族弾圧では、拷問や虐待、ウイグル語の剥奪、強制的な改宗、監視カメラによる24時間の監視、不妊手術の強制などのジェノサイドが行われています。しかし国際社会は中国に経済を依存しているため強く抗議できず、ウイグル族への迫害は事実上黙認されています。

【民族弾圧問題に取り組んでいる法人】

NPO法人パレスチナ子どものキャンペーン

パレスチナでは、人口の半数が16歳以下の子どもたちです。そんなパレスチナの子どもたちは、空爆を受け、教育も受けられていないのが現状です。また、パレスチナのガザ地区は出入りを完全にイスラエル軍に包囲されており、物資や衣料品が慢性的に不足しています。

そこでパレスチナ子どものキャンペーンでは、空爆被害者へのメンタルケアや食糧品の配布、医療支援や教育支援などを行っています。子ども達の人権を守り、平和の実現につなげることを使命としています。

パレスチナ子どものキャンペーン
パレスチナ子どものキャンペーン 「パレスチナ子どものキャンペーン」は、パレスチナの子どもたちを支援する日本のNGO(認定NPO法人)です。

人身売買・人身取引問題

人身取引の被害者は、2018年時点で4030万人と推計されています。(ウォークフリー財団調べ)人身取引を受けた人は、性的搾取をされたり、プランテーションで奴隷にされたり、強制結婚や臓器売買に利用されたりしています。人身取引が多い国は「インド」「中国」「パキスタン」の順で、特にインドはカースト制度が残っている事から上位カーストの人間が下位カーストの人を拉致し売買するといった行為が行われています。

また、移住労働者を安価で呼び寄せ過酷な労働を強いている事例は、現代の日本でも存在しています。

【人身売買・人身取引問題に取り組んでいる法人】

国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン

ワールド・ビジョンは全世界100カ国で開発援助や緊急援助・啓発活動などを行っている国際NGOです。この日本支部では、アジアのメコン地域で人身取引対策事業を行っています。

5年間に渡り人身取引の予防啓発活動、被害者を保護し社会復帰するための支援、東アジア地域への政策提言などを行ってきました。2020年からはベトナムの少数民族地域にて、人身取引被害を防ぐ拠点づくりを始めています。

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教育を受けられない子ども達・識字率問題

世界では、2017年時点で1億2400万人の子ども達が学校に通うことができていません。(ユニセフ調べ)学校に通えていない子どもの多くはアフリカと南アジアに住んでいて、家事や水汲みなどの仕事を手伝う必要があるため学校に通うことができていません。また、親が学校に通っていないため教育の重要性を理解しておらず、学校に通わせるよりも働かせた方が良いと考える人が多いことも、進学率が低い原因の1つです。

学校に通う子どもたちが少ないと、それだけ識字率は低下します。ニジェールの識字率は15%、チャドは22%、南スーダンは27%とアフリカ諸国は識字率が低い傾向にあり、読み書きができないと本を読んだり機械の取扱書を読んだりする事もできません。その結果、肉体労働以外の選択肢を取る事ができず、貧困の連鎖が続いてしまいます。

また、女の子は教育よりも家事を優先される傾向にあります。世界の中等教育就学率は男の子が65%なのに対し、女の子は55%となっています。

【世界の教育問題に取り組んでいる法人】

NPO法人はちどりプロジェクト

はちどりプロジェクトは、カンボジアで学校を建設し子ども達が学校に通える社会を作る活動を行っています。

カンボジアでは、ただ学校を建てただけでは、子ども達は通う事はできません。その理由として、親が農家で子ども達が農業を手伝わされてしまうからです。

そこではちどりプロジェクトでは、ただ学校を建てるだけではなく、農業以外の働く場所をたくさん作り、親が子ども達を学校に通わせられる社会作りを行っています。現在は、村の人たちを雇用して綿と井戸水で漉いた紙を作り販売しています。

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カンボジア支援団体 NPO法人「はちどりプロジェクト」 カンボジアに学校を建てました。子どもたちが学校を休まなくてもすむように、こんどは現地に産業を興すため奮闘中。大人の働く場所を作っています。支援するって何?ボラン...
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世界の教育格差ランキング【2023年最新版、202の国・地域の教育ランキング】 世界の教育格差ランキングとして、子どもの就学率ランキングや識字率ランキング、教育の男女格差ランキングなどを紹介します。また、なぜその国の教育水準が低いのか、教育格差が起きる理由を分析していきます。本記事のランキングは、ユニセフ(国連児童基金)のデータを基にしています。

難民問題

世界には1億840万人が紛争や迫害などによって家を追われ、そのうち3530万人が難民となっています。(国連UNHCR調べ)2022年には、シリアで654万人、ウクライナで567万人、アフガニスタンで566万人、ベネズエラで545万人の国外難民が発生しました。

彼らは争いから逃れるため、山を歩いて超えたり、海の漂流したりして国外へ脱出します。その道中で命を落とすことも少なくないですが、運よく国外に逃れられたとしても、難民認定されずに強制送還される可能性もあります。また、国外での彼らの生活先は難民キャンプであることが多く、水不足や栄養失調に陥るケースも多く存在しています。

【難民問題に取り組んでいる法人】

NPO法人難民を助ける会

AAR Japan(難民を助ける会)は、1979年にインドシナ難民支援を目的として設立されたNGOです。現在は世界9カ国で難民支援の活動を行っています。

シリアではトルコから小麦を運び、週に6日パンを配布しています。ザンピアでは、アンゴラやルワンダからの難民に農機具や苗を供与し農業知識を教えることで、彼らが自力で生計を建てられるよう支援を行っています。2022年にはウクライナ難民に食糧品や医薬品・子供服などの緊急支援を実施しています。

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AAR Japan[難民を助ける会]:日本生まれの国際NGO 1979年に日本で生まれた国際NGOです。難民支援、地雷・不発弾対策、障がい者支援、災害支援、感染症/水・衛生、提言/国際理解教育の6つの分野で活動しています。AARへの...

様々な社会問題について網羅的に学べる本を3冊紹介!

ここまで、世界に存在する様々な社会問題について解説してきました。

社会問題の種類についてもっと学びたい!という方向けに、社会問題の一覧を網羅的に学べる本を3冊紹介します。

社会問題とは何か:なぜ、どのように生じ、なくなるのか?

過疎化・ジェンダー問題・人種差別などは、昔は社会問題とされていなかった。誰かが「これは社会問題だ」と声をあげ、それに同意する人が現れて初めて社会問題となる。

この観点から、どのようにして社会問題が生じ、どうすれば社会問題がなくなるのかをデラウェア大学教授の社会学者『ジョエル・ゴードン・ベスト』が記した一冊です。

答えのない時代の教科書 社会課題とクリエイティビティ

  • 障害のある人々が選べる服の少なさ
  • 生理のタブー視
  • 地域コミュニティの希薄化
  • 地域資産を活用しきれていない
  • 脱炭素社会への具体的取り組み

について、博報堂チームがクリエイティビティから社会課題解決を目指したドキュメンタリーです。

博報堂のメンバーが、根本的課題が何かを考え、どんなアクションを起こしたのかが記されています。

ソーシャル・ビジネス革命――世界の課題を解決する新たな経済システム

『ソーシャルビジネス』という概念の提唱者であり、ノーベル平和賞も受賞した、ムハマド・ユヌス博士が2010年に出版した本です。

前半ではソーシャルビジネスの定義や概念を説明し、後半ではユヌスさんが実際に手がけた事例(ダノンやアディダス、インテルなどとの共同事業)の紹介を行っています。

まとめ:世界にはまだまだ多くの社会問題が存在する

今回は総計39個の社会問題の一覧リストを解説してきました。ここまでご説明した通り、世界にはまだたくさんの社会問題が存在しています。これらの社会問題は多くの企業や法人が解決しようと努力していますが、すぐに解決できるほど簡単なものではありません。

大事なことは、まずは社会問題に関心を持つこと。自ら調べ、情報を集め、社会課題が起きている現地に足を赴いて自分の目で問題を見てみましょう。そこで気付きや心が動かされた事があれば、社会問題解決のために今あなたにできることから行動を起こしていきましょう。簡単な所では、社会課題解決を行っている法人に寄付をする、ソーシャルグッドな商品を選んで購入する。より行動力がある方は、社会課題解決のための団体に所属して活動してみたり、そうした企業にプロボノとして参画したり、自分で社会起業をするのも良いでしょう。こうした社会課題解決に関心を持つ人・行動する人が増えていけば、きっと社会はより良くなるはずです。

ソーシャルエッグでは、そんな社会課題解決に尽力する人や企業・法人などを紹介しています。ソーシャルグッドな活動に興味を持った方は、ぜひこちらも読んでみて下さいね。

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この記事の編集者

下谷 航希のアバター 下谷 航希 編集長

現在25歳。大学3年生の頃に子ども食堂の運営に携わり、社会貢献をしている人たちが大変な思いをしながら社会貢献活動をしていることを知る。その後、地方創生ツアーやメンタルケアアプリ制作などを行い、2023年に社会課題解決に尽力する人たちの課題を解決するメディア「ソーシャルエッグ」を立ち上げ。現在はソーシャルエッグのインタビューやメディア運営、学生へのソーシャルビジネス講座などを行っている。

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